アフガニスタン・ナンガルハル県、女子教育における水衛生を中心とした教育環境改善事業に参加したムルサルさんからのメッセージが届きました。
アフガニスタンでは42%の子どもが学校に通えていないと言われており、ナンガルハル県は教育を取り巻く環境が最も厳しい県のひとつで、全国で最も多くの子どもが学校に通えていません。12歳の少女、ムルサルさんも通学に必要な文房具などをそろえる経済的余裕がありませんでした。しかし、ジェンによる地域住民の方々との対話やモスクでの呼びかけの中で、両親は教育の大切さを認識し、彼女の学びを支えることを決意しました。
ムルサルさんからの手紙
「私の名前はムルサルです。私は今、学校に通っています。私は大家族で、お父さんには仕事がありません。かばんや文房具の入ったキットをジェンから受け取ったとき、勉強に集中したいというやる気がわいてきました。これが無ければ、十分に学ぶことはできなかったと思います。お父さんはとても喜び、ジェンの支援活動に深く感謝しています。私も感謝しています。将来はお医者さんになり、貧しい人びとを治療したり、国の復興に貢献したりしたいです。」
特定非営利活動法人ジェン(JEN)は、「一食平和基金」の支援を受けて2025年、ジェンはアフガニスタンにおいて、東部地震への緊急支援、女子教育における水・衛生環境の改善、灌漑施設の改修を通じた食糧安全保障の改善とレジリエンスの強化、自立を目指した持続可能な生計支援など、9つのプログラムを実施しました。その結果、39,713人の人びとに支援を届けることができました。
現在でも、アフガニスタンは依然として厳しい人道危機が続いていて、人口の約半数が人道支援を必要としています。また、繰り返される自然災害がその状況を深刻化させています。2024年は洪水で17万人以上が被災しました。ジェンの事業地である東部ナンガルハル県は被害が最も大きかった上、3割以上の住民が深刻な食糧不安に直面しています。
ジェンはこうした状況の改善に向け、緊急的な食糧支援と、長期的な農業復興を組み合わせた事業を実施しました。皆さまのご支援などにより、414世帯に2ヶ月分の食糧を届けたほか、働ける方には灌漑用水路の修復作業に従事していただきました。事業の意義を丁寧に伝えたことで地域の人びとが積極的に参加し、当初計画の8kmを大幅に上回る15kmの水路修復と、計画比約1.4倍となる402mの防護壁を設置することができました。
この支援で、最も困難な状況にある方々が翌日の食糧を心配せずに暮らせるようになったほか、農地への安定した水の供給により、農業生産の回復も見込まれています。
人びとがお腹を満たし、農業を続けることができれば、子どもが働くことなく、教育を受けることができます。更に、ムルサルさんが参加した事業のように、学校にトイレなどの水・衛生施設をととのえ、学習キットの支援を行うことで、子どもたちは安心して通学することができるようになります。また、衛生啓発活動に参加することにより、石けんでの手洗いなどの衛生習慣を身に付け、下痢などの病気を減らすことができ、勉強に集中できるようになります。
更に女子教育における水・衛生環境の改善事業ではトイレや手洗い場の新設、衛生教育の実施に加え、宗教指導者や保護者への研修を通じて地域全体で女子教育への理解を促進。困窮家庭の新入生1,218人には就学キットを配布しました。また、343人の教師を対象に指導力向上研修も実施しました。支援終了後も地域が自立して活動を継続できる仕組みづくりを目指しています。
一食平和基金の皆さまからのご寄付は、こうしたジェンの支援活動の一つひとつに大切に使われ、ムルサルさんのような子どもたちの「学ぶ機会」や「未来」を支えています。皆様の一食分のご支援が、「学校に通える」という機会になり、「学び続けたい」という意欲になり、そして「将来の夢」へとつながっています。
皆さまのあたたかいご支援が、確かに現地で形となり、未来を変えています。 心より感謝申し上げます。