ゆめポッケイメージ画像
世界には貧困や紛争の影響で、厳しい環境で生活している子どもがたくさんいます。「ゆめポッケ」は、そうした子どもたちを勇気づけようと、手作りの袋に文房具やおもちゃなどを詰めて、 “思いやりの心”をおくる運動です。1994年から2023年まで取り組みました。
世界地図
  • 1アゼルバイジャン 1988年から隣国アルメニアとの戦争が勃発し、多くの人が故郷を追われました。また、チェチェン難民など、紛争地から逃れてきた難民が厳しい環境下で暮らしています。
    (2004~2013年、34,351個)
  • 2英国・北アイルランド カトリックとプロテスタントの確執が、長年にわたり深まっていました。1960年代後半から30年間は激しい衝突が起き、多くの犠牲者が出ました。和平合意後も、居住区や学校が宗派別になるなど、子どもに影響を与えています。
    (1999~2007年、27,753個)
  • 3クロアチア(旧ユーゴ) 1991年、ユーゴスラビアからの独立を目指した内戦が勃発。家族を失い、土地を追われた避難民がおよそ50万人発生しました。国内に設置された580カ所の収容キャンプで、多くの子どもたちが暮らしました。
    (1999~2003年、旧ユーゴ全体で55,664個)
  • 4セルビア(旧ユーゴ) 1998~1999年、コソボ自治州がセルビアからの独立を求めて紛争が行われました。コソボにおける人権侵害に際し、北大西洋条約機構(NATO)軍が介入。激しい戦闘と空爆で、双方共に多くの犠牲者、避難民が出ました。
    (1999~2003年、旧ユーゴ全体で55,664個)
  • 5ボスニア・ヘルツェゴビナ
    (旧ユーゴ)
    ユーゴスラビアからの独立を目指すなかで民族紛争が起こり、3年半にわたって国内全土で戦闘が繰り広げられました。死傷者20万人、難民・避難民200万人が発生し、多くの子どもが巻き込まれました。
    (1999~2003年、旧ユーゴ全体で55,664個)
  • 6アフガニスタン 1978年から内戦が断続的に続いています。また、2001年9月11日、米国で起きた同時多発テロ事件後に、犯行グループをかくまっているという理由から、米英軍による空爆が行われました。
    (2001~2020年、96,855個)
  • 7イスラエル ユダヤ人とパレスチナ人の間で、長年にわたり争いが繰り広げられています。戦闘のなかで親を失ったり、危険な地域に住まざるを得なかったりして、不安のなかで生活する子どもがいます。
    (1999~2000年に、1,840個)
    ※ユダヤ人とパレスチナ人の青少年を対象にした民族和解のための教育に取り組む「ネーブ・シャローム/ワハット・アッサラーム」を通じて配付
  • 8レバノン シリアやパレスチナなどでの紛争から逃れてきた難民が大勢暮らしています。なかでも、パレスチナ難民は“一時避難”として市民権を得られません。子どもたちは教育を受けられないなど、大きな影響を受けています。
    (1999~2022年、312,534個)
  • 9パレスチナ・ガザ地区 1967年よりイスラエルによって軍事占領されました。2005年にイスラエル軍は撤退しましたが、それ以降激しい空爆が行われています。人や物資の出入りも制限され、人道危機のなかで子どもたちは危険にさらされています。
    (1999~2020年、236,197個)
  • 10パレスチナ・ヨルダン川西岸地区 イスラエルの入植で土地を追われたパレスチナ人が生活しています。イスラエルによる軍事侵攻のほか、700キロにも及ぶ隔離壁が建設され、移動が制限されています。子どもたちも自由を奪われています。
    (2002~2010年、53,439個)
  • 11スリランカ 長年にわたり民族紛争が繰り返されました。2009年に終結しましたが、不発弾や地雷が残り、国民の不安は尽きません。また、2004年にはスマトラ沖大地震によるインド洋津波で大きな被害を受けました。
    (2003~2007年、15,463個)
  • 12フィリピン・ミンダナオ島 1960年以降、土地や自治権をめぐってフィリピン政府と先住のムスリム系住民の間で武力衝突が頻発し、多くの避難民が発生しています。また、土地開発などで山間部に移住を強いられている人々もいます。
    (2008~2022年、20,499個)

1994~1997年は「愛のポシェット運動」として、クロアチアに135,000個、セルビアに43,250個、ボスニア・ヘルツェゴビナに120,000個のポシェットを届けました。

集団

ゆめポッケとは

 紛争や迫害によって傷ついた子どもたちに平和を願う心を届ける「子どもによる、子どものための運動」として、文房具やおもちゃを詰めた“ゆめポッケ”をおくる取り組みが、1994年から2023年まで行われました。
 1990年代、旧ユーゴスラビアで内戦が頻発。この危機に対し、本会は特定非営利活動法人(JEN)の一員として、旧ユーゴプロジェクトの一環で94年から4年間、「愛のポシェット運動」に協力しました。298,250個のポシェットを旧ユーゴの子どもたちに届けました。
 その後、旧ユーゴの社会情勢、その他地域の紛争状況を鑑み、運動の方向性や配付国を見直し、99年から本会の活動として「ゆめポッケ・キッズキャンペーン」をスタート。2014年次からは、家庭での実践の充実を目指し、名称を「親子で取り組むゆめポッケ」と変更しました。配付地は、旧ユーゴスラビア、パレスチナ・ガザ地区、レバノン、スリランカ、フィリピンなど12の国と地域。現地配付パートナー団体の協力のもと、思いの詰まった80万個のポッケを紛争地域の子どもたちに届けました。また、「ゆめポッケボランティア隊」が派遣され、現地の子どもに直接手渡し、交流を深めてきました。
 2020年代に入ると各国の通関基準が厳しくなり、ゆめポッケを検査に通すことが困難に。協力団体からも継続的な配付が難しいとの報告を受け、協議の結果、活動終了が決まりました。

ゆめポッケの歩み

  • 「愛のポシェット運動」に参画
    初年度は、クロアチアとセルビアへ配付
  • 「ゆめポッケ・キッズキャンペーン」として、本会で運動をスタート
    「ゆめポッケ親子ボランティア隊」が旧ユーゴスラビア、レバノン、英国・北アイルランドで配付活動
  • 「ゆめポッケ・キッズキャンペーン」から「親子で取り組むゆめポッケ」に改称
  • 「ゆめトモ交流プログラム」を実施
    過去にゆめポッケを受け取ったフィリピン・ミンダナオ島の青年たちを日本に招待し、本会の少年部員をはじめとする青年部員らと交流
  • ゆめポッケ20周年
    20年で届けられたゆめポッケの総数が約79万個に
  • 「親子で取り組むゆめポッケ」最終キャンペーン
  • 「親子で取り組むゆめポッケ」の活動が終了
    レバノン、フィリピン・ミンダナオ島で最後の配付