貧困(飢餓)の解消 Poverty Alleviation

東南アジアにおける農村再生プロジェクト

特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター

活動対象地域で暮らす農家にとって、乾季に水をいかに確保できるかが、年間を通した食料の安定供給を左右する一大要因です。そこで本プロジェクトでは、水へのアクセス改善のための支援(ため池の設置等)を行っています。

また村人が取り組みやすい、家庭菜園研修や食品加工研修も行っています。乾季の水不足に対しては、少ない水で野菜栽培ができる技術、また雨季の冠水に対しては、タイヤやペットボトルを使ったプランター栽培の農業研修を提供しています。

人と人、人と自然と共存しながら農業に取り組むことで、農家の安定した暮らしを目指します。

背景

カンボジアの活動対象地域では、近年、大規模な農業開発や人口増加によって、森林などの自然資源が急速に減少しています。また、約4割の家庭が季節的な出稼ぎに行っており、そのうち半数は隣国タイなどの海外へ行っていることから、村では田植えのための人手を確保することが難しくなっています。

また、気候変動の影響もあり、雨季に充分な水を確保しておくことができず、乾季に深刻な水不足が起きています。水にアクセスできないことで、家庭菜園などを実践できずに日々の食料を市場の外国産の野菜に頼らざるを得なくなったり、生活用水を購入する必要がでてきたりと、現金支出の増加にもつながっています。

近代化の影響を受けて変化しつつある農村ですが、村人が農業に取り組める環境を守ることが、食料の安定的な供給の助けとなります。農村の価値を村人自らが再発見し、自給自足ができる農村を再生させることが、環境の変化にも順応できる、農家の安定した暮らしにつながります。

受益者の声

ソク・スーンさん

ソク・スーンさん

以前から研修に参加していた母の勧めで、JVC の研修に参加するようになりました。研修で教えられたいくつかの作物を庭で育て始めています。家でうまく育てられれば、野菜を買う現金を抑えることができるので、とても助かります。栄養価については初めて知ることも多く、娘のために生かしたいと思っています。

ホル・ンガウさん

ホル・ンガウさん

これまで5 回以上、JVC の食品加工研修に参加しました。それまで一度も加工をしたことがありませんでしたが、今では大根の漬物、アヒルのタマゴの塩漬けなどを自家生産しています。食品を長期保存できるようになったばかりか、いくつかのものは市場に売りに出し、現金収入を得ることができるようになりました。研修では新しい知識を得ることができるので、とても嬉しいです。