一食ブログBlog

ミャンマーでの学校給食について 国連WFP協会より

Oct 23, 2021

一食平和基金のご支援を受け「ミャンマー学校給食事業」を実施する、WFP国連世界食糧計画の公式支援窓口を務める認定NPO法人・国連WFP協会で、法人様ご支援・連携の担当をしております松本聡子と申します。ご支援者の皆様におかれましては、日頃より国連WFPの活動にあたたかいご支援をいただきまして誠にありがとうございます。
さて、10月16日は国連が制定した「世界食料デー」、世界の飢餓や食料問題、そしてその解決策を考える日です。日本では10月を「世界食料デー」月間とし、日頃から飢餓や食料問題の解決に向けて活動するNGO/NPO、国連機関が情報発信を行っています。 世界に目を向けますと、2020年、飢餓人口は前年の6億5,000万人から最大で8億1,100万人に急増しました。全人口の10人に1人が日々十分に食べることができず暮らしているという状況です。下のグラフは飢餓人口の推移を示したものです。国際努力のもと飢餓人口は減少傾向にありましたが、2014年から徐々に増加し、昨年の急増となりました。このままではSDGsの目標である2030年までに「飢餓をゼロに」するという目標が危ぶまれます。 

飢餓人口が急増した主な原因には、紛争、気候変動、そして新型コロナウイルス感染症による社会経済的影響が挙げられています。

飢餓に苦しむ人の約6割は紛争地域に住んでおり、この1年でも、イエメン、南スーダン、エチオピア、アフガニスタンといった国々では、紛争や武力衝突によって多くの人が食料を得られなくなり、栄養不良が深刻化しました。また、気候変動による干ばつや洪水などの自然災害も、食料確保の悪化に繋がっています。さらに新型コロナウイルスのパンデミックに伴うロックダウンや国境封鎖は、物資の供給不安や経済の低迷を引き起こし、飢餓が劇的に悪化しました。特に社会保障が不十分な国で生きる日雇い労働者や貧困層、難民など、弱い立場の人びとがより深刻な打撃を受けています。

紛争下のイエメン。 ©WFP

こうした中、飢餓の中でも最も深刻な「飢きん」、つまり飢餓によって人びとが命を落とす危機に瀕している国が出てきています。エチオピア、マダガスカル、南スーダン、イエメンの4か国では、計584,000人がほぼ飢きん同様の状態に陥っています。イエメンでは、木の葉を食べて飢えをしのぐ人もいるなど、深刻な事例が報告されています。

その他、ミャンマーでは2月のクーデター以降、政情不安や暴力、食料価格の高騰などに苦しむ人が急増しています。同国内では新型コロナウイルス感染拡大に伴う不況や貧困によって、クーデター前も280万人が飢餓に直面していましたが、政情不安が重なったことで、これに加えて新たに340万人が飢餓に陥ると推計されています。

「私たち親は食べ物がなくても生きていけますが、子どもはそうはいきません」と語るマ・モエさん(首都・ヤンゴン)©WFP

一食平和基金様にご支援いただいております学校給食支援につきましては、教員のボイコット運動や治安上の懸念等により依然ほとんど学校が機能しておらず、学校での給食提供は難しい状況が続いています。そのような中、国連WFPは栄養強化ビスケットの配給や食料購入のための現金支援を継続し、子どもたちの栄養不良の回避に尽力しています。

 

国連WFP2020年には過去最多となる11,500万人に食料支援を実施しましたが、飢餓の拡大を受けて、本年は史上最大規模の活動を展開し13,800万人に食料を届けることを目指しています。

国連WFP協会でも、皆様からのご支援を募るため、様々な取り組みを実施しています。ぜひご協力をよろしくお願いいたします。

 

  • SNSキャンペーン「ゼロハンガーチャレンジ~食品ロス×飢餓ゼロ~」

世界では生産された食べ物の3分の1が廃棄されています。日本もWFPの年間の食料支援量の1.4倍にあたる年600万トンを捨てる「食品ロス」大国の一つです。

本キャンペーンでは、食品ロス削減の取り組みを「#食品ロスWFP2021」を付けてSNSに投稿すると、120円が寄付協力企業から国連WFPに寄付され、学校給食支援に役立てられます。

詳細:https://www.jawfp.org/worldfoodday2021/

 

  • アプリ「Share the Meal

いくつかの支援国の中から支援先を選び、85円から寄付ができるアプリです。定額寄付に参加すると、支援先の家族からお知らせも届きます。

詳細:https://sharethemeal.org/ja/

 

  • お買い物を通じた寄付「レッドカップキャンペーン」

国連WFPの学校給食支援のシンボル「レッドカップ」から生まれたキャラクター、「レッドカップちゃん」のマークが付いた商品やサービスを購入すると、レッドカップキャンペーンに参加する企業から売り上げの一部が国連WFPに寄付されます。

詳細:https://www.jawfp.org/redcup/

 

引き続きのご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。