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2021年、ミャンマーにおける国連WFPの食料支援活動ご報告

May 24, 2022

一食平和基金のご支援を受け、「ミャンマー学校給食事業」を実施するWFP国連世界食糧計画の公式支援窓口を務める認定NPO法人・国連WFP協会で、法人様ご支援・連携の担当をしております松本聡子と申します。

 

ご支援者の皆様からの国連WFPへの継続的なご支援に、心から御礼申し上げます。

今回は、昨年2021年度のミャンマーにおける活動につきまして、学校給食支援を中心にご報告いたします。

 

2021年のミャンマーにおける国連WFPの活動は、軍事政権発足によって大きく変わり、新型コロナウイルスの影響もあり、国全体が大きな混乱に見舞われました。行政、農業、貿易、金融サービス、経済など、あらゆる部門に波紋が及び、WFPの活動にも影響を与えました。しかしWFPは不確実な環境に即座に対応し、それまでの組織連携から脱却し、代わりに現地組織や国際機関との協力を拡大することで、人道主義の原則に則って支援を継続できるようにしました。

 

経済的、政治的な混乱により、支援を必要とする人の数は大幅に増え、2021年、国連WFPは前年の約3倍となる290万人の人々を支援しました。この支援には、ヤンゴンとマンダレーという2大都市圏および周辺部も含まれており、WFPの緊急対応としては前例のない規模のものです。また、国内避難民の数が増え続ける中、これらの人びとへの支援も実施しました。

 

国連WFPの学校給食支援も、2021年の危機の影響を受けました。6月、学校の開校宣言はあったものの、学校への攻撃が報告され、多くの教師が市民不服従運動(CDM)に参加し、多数の親が子どもを学校に行かせないなど、混乱が続きました。ラカイン、カチン、カイン、モン州を除いては、学校はうまく機能しなくなってしまい、これらの混乱により、本来なら学校給食を受け取れるはずの生徒たちが、必要カロリーの30%を得られなくなってしまったのです。

 

WFPはこのような広範囲の混乱にもかかわらず支援を続けることができ、様々な方法を通じて34万人の生徒に給食を届けました。可能な限り、現場での配給に代わり、持ち帰りの栄養強化ビスケットや食料購入のための現金の配給を採用するなど、WFPは柔軟なアプローチをとって支援を行いました。結果、およそ179千人の子どもたちに、850トンのビスケットおよび約618千米ドルの現金が支給されました。

 

10カ月以上の学校閉鎖や学校機能の制限により、すべての実績データの収集や出席・就学状況のモニタリングの実施は不可能でした。しかし、WFP20216月から7月にかけて、54のタウンシップで保護者や小学校教員を対象に、学校給食の状況分析評価を実施しました。この評価では、子どもたちに直接利益がもたらされるようにしながら、紛争に配慮したアプローチで支援を行うために、子どもたちを学校に戻すことに対する保護者の認識、および混乱の中で食料や現金の配布を実施することに対する支持度合いを調査しました。両親と教師へのインタビューでは、学校が閉鎖されている間、持ち帰りの配給という形で学校給食プログラムを継続することには協力的であることが分かり、また教師は、特に学校から遠い世帯の子どもや低所得世帯の生徒にとってメリットがあると述べました。

 

治安の悪化、政情不安、新型コロナウイルスの大流行による複数の運営上の困難にもかかわらず、国連WFP2021年、厳しい制限を受けながらも、人びとの命を救う支援活動を継続しました。WFP2022年、少なくとも400万人を支援することを目標に、活動を継続しています。

 

どうか、皆さまの継続的なお気持ち、ご支援を頂戴できますと幸いです。

栄養強化ビスケットの配給(カチン州)(©WFP)


栄養強化ビスケットの配給(©WFP)


少数に限られたものの、調理された給食が提供された地域もありました(ラカイン州)(©WFP)