アフリカへ毛布をおくる運動

1984年、アフリカ諸国では、大干ばつの被害によって多くの人々が命を落としました。飢餓だけでなく、寒暖差による病死も深刻なことから、アフリカの人々のいのちを守るために、日よけにも防寒具にもなる毛布を40年にわたって届けました。

世界地図
  • 1アンゴラ 配付期間:2001~2002年
    配布枚数:20,000枚
  • 2ウガンダ 配付期間:1995~2011年
    配布枚数:444,200枚
  • 3エチオピア 配付期間:1984~2011年
    配布枚数:1,467,977枚
  • 4エリトリア 配付期間:1998~2005年
    配布枚数:138,500枚
  • 5ガーナ 配付期間:1984年、1996年
    配布枚数:145,000枚
  • 6ギニア 配付期間:2002年
    配布枚数:5,000枚
  • 7ケニア 配付期間:2007~2014年
    配布枚数:90,750枚
  • 8コンゴ 配付期間:2005~2007年、2014年、2016~2017年
    配布枚数:15,390枚
  • 9ザンビア 配付期間:1984年
    配布枚数:100,000枚
  • 10シエラレオネ 配付期間:2004年
    配布枚数:10,000枚
  • 11ジブチ 配付期間:1991~1992年、1994~2009年
    配布枚数:149,745枚
  • 12スーダン 配付期間:1984年、2007~2008年
    配布枚数:483,360枚
  • 13ソマリア 配付期間:1984~1987年、2007~2009年
    配布枚数:135,270枚
  • 14タンザニア 配付期間:1994~1998年
    配布枚数:91,972枚
  • 15チャド 配付期間:1987年
    配布枚数:4,950枚
  • 16ニジェール 配付期間:1984年
    配布枚数:20,000枚
  • 17マラウイ 配付期間:1999~2010年、2012~2022年
    配布枚数:331,587枚
  • 18マリ 配付期間:1984年、1997~1998年
    配布枚数:25,360
  • 19南アフリカ 配付期間:1987~1988年、1998年
    配布枚数:20,010枚
  • 20モザンビーク 配付期間:1984年、1988年、2000~2020年、2022年
    配布枚数:392,143枚
  • 21リベリア 配付期間:1998年
    配布枚数:25,000枚
  • 22ルワンダ 配付期間:1997年、2002年
    配布枚数:25,000枚
  • 23その他 配付期間:1984年
    配布枚数:11,500枚

立正佼成会が参画する『アフリカへ毛布をおくる運動』

420万枚超――厳しい状況で暮らすアフリカの人を思い、40年にわたって日本から送られた毛布の数です。一枚の毛布は、寝具、防寒具、日よけとして活用され、寒暖差の激しい地で人々のいのちを守ってきました。

1984年に発生した大干ばつにより、アフリカは深刻な飢饉に襲われました。ユニセフのジェームズ・グラント事務局長が、世界の国々に毛布200万枚の支援を要請。これを受け、日本政府と民間団体の合同事業として「アフリカへ毛布を送る会」(森繁久彌会長)が84年に発足しました。立正佼成会も主要メンバーとして毛布収集に協力。翌年、171万枚以上の毛布が日本からアフリカ諸国に届けられました。

同会は85年に解散しましたが、現地の状況を踏まえ、本会とNGOなどが合同で「アフリカへ毛布をおくる運動」をスタート。毛布や海外輸送協力金を呼びかける啓発活動を展開し、最終的に420万枚を超える毛布を届けました。また、ボランティア隊を派遣し、現地の人々へ毛布を直接手渡しました。

一方、世界では2010年以降、膨大な数の難民が発生。推進母体の「アフリカへ毛布をおくる運動推進委員会」は状況に合わせて支援先等を見直してきましたが、均質な毛布の提供が困難になってきました。加えて、諸課題の根本原因である災害や紛争の解決、自立に向けたサポートなど包括的な支援が求められるように。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、毛布輸送にあたる環境負荷なども鑑み、2022年の収集キャンペーン、2023年の現地配付をもって、40年にわたる運動の幕を閉じました。

運動終了にあたって

立正佼成会参務、アフリカへ毛布をおくる運動推進委員会幹事 根本昌廣

立正佼成会参務、アフリカへ毛布をおくる運動推進委員会幹事(運動終了時)

根本昌廣

「アフリカへ毛布をおくる運動」の取り組みが終了することになりました。

この運動は、飢餓に苦しむアフリカの人々を救済するために1984年に始まりました。40年間、運動に賛同してくださるボランティアの皆さまの地道な啓発活動によって、個人や企業、地域社会の協力を頂き、420万枚を超える毛布をエチオピアやモザンビークなど27カ国に届け、貧困や病に苦しむ人々に手渡すことができました。日本からの毛布が、アフリカの人々のいのちを守り、家族の未来をつなぐという大切な役割を担えたのも、皆さまが世界の各地で貧困や紛争にあえぐ人々の痛みや苦しみに共感し、「世界のみんなが幸せになってほしい」という切なる祈りの中で運動に尽力してくださったおかげさまです。同運動推進委員会(JBAC)の幹事であった立場として、また、運動に携わる同志の一人として、改めて感謝申し上げます。

ボランティアの皆さまの中には、10年、20年と継続して運動に取り組まれた方もおられます。長年の活動によって行政やNGOと関係を深め、地域を巻き込んで大々的な広報や収集活動を行えるようになった事例もあります。地道に協力を呼びかけ続けたことで、地域で取り組みが定着し、毎年何百枚と毛布を提供してくださる方が現れたという話も伺っています。取り組みを通して語り尽くせないほどの温かいふれ合いや喜びの体験があったのはもちろん、この取り組みは参画する一人ひとりの中に他者を思う心を育み、人さまの幸せのために行動できる自分になっていくきっかけを与えてくれました。

「これからもアフリカに毛布を」という思いは、運動に携わってきた全ての人、そして毛布を受け取る現地の人々に共通したものでしょう。しかし、時代の変化に伴うさまざまな要因が重なり、取り組みに幕を下ろすことになりました。ですが、これで終わりではありません。

1日2.15ドル未満で生活する世界の貧困層(約6億5000万人)のうち、60%がアフリカの人たちです。長年続いた内戦の終息や民主的選挙の実施など平和と安定に向けた動きがある一方、未だ紛争の火種がくすぶっている地域が多いのも事実です。加えて、環境破壊や自然災害、感染症など、人々の生活を脅かす課題は山積しています。現在の世界情勢やアフリカの抱える課題に沿った新たな支援の形を、長年毛布の取り組みに携わってきた皆さまの経験と智慧を結集して、見つけていきたいと願っています。