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一食オンラインスタディツアーのご報告

Oct 11, 2024

みなさんこんにちは!一食事務局です。
9月21日、オンライン配信にて開催しました一食オンラインスタディツアー「本当の自立支援を知ろう!~大洪水(モンスターフラッド)から再び立ち上がるまで~」についてご報告いたします!
今回のスタディツアーは、合同プロジェクトのパートナー団体である特定非営利活動法人ジェン(JEN)にご協力をいただき、パキスタン事業について報告をしていただきました。

配信の様子(法輪閣にて)

2022年に発生した大規模洪水によって被災した人たちが自分たちの足で再び歩き始められるように農業支援としてシードシェア(種の共有)プロジェクトが実施されています。パキスタンと中継をつなぎ、現地のジェンスタッフや支援を受けている人たちにインタビューを行いました。

インタビューの様子

配信を見た参加者からは、「復興に向けて頑張っている様子がリアルに感じられた」「私たちが献金した募金が、具体的にしかも生の声としてどう使われ、支援を受けた人たちに喜ばれているかを知り、嬉しかった」「真心からの寄付が、災害で被害に遭われた被災者の復興支援としてお役に立てている事が知れた」などの声を頂きました。

また、質疑応答の時間ではいつくものご質問をいただきました。残念ながらすべての質問にお答えは出来ませんでしたので、ジェンより後日回答をいただき、このブログにてご紹介させていただきます。


  質問1)現在の支援はどこまで広がりをみせているのでしょうか。

今回私たちがシードシェアのプロジェクトで対象とさせていただいた方々は、作物の効率的な栽培方法を習得し、収穫の一部を他の農家に分けられるまでになりました。現在はシードシェアを受けた方々が、種まきを開始するところです。農家の方々を地域の農業局ともつないだことで、今後必要に応じて農業局に技術支援などを要請することもできるようになっています。食糧危機の状況は大幅に改善してきたため、次は洪水被害を受けた子どもたちの学校再建事業に着手しています。

  質問2)自立支援とは何か詳しく教えてください。

自立支援とは、誇りと尊厳(前に進む力)の回復のためのプロセスだと、私たちは考えています。災害や紛争で大事な家族や仕事、財産を失ってしまった人びとは、失ったものがあまりに大きいために、支援なしでは最低限必要なものも確保できない状況に置かれることがあります。そこから再び自分の足で立ち、継続的に自活できるように、そのための道具やノウハウを提供し、自立を後押しすることが、ジェンの自立支援です。

  質問3)現地スタッフで苦労していることは何ですか?それをどのように対処したり、乗り越えたりしていますか?

現地スタッフは、日々多くの課題に直面していますが、ここではこのプロジェクトの開始時点に直面した課題を紹介します。
本当に多くの人びとが被災したため、限りある資金でどの世帯を対象とさせていただくか、が大きな課題でした。これを解決するために、ジェンは村のリーダーや長老と協力し、最も脆弱な世帯を特定するための委員会を設立し、特定のための基準を設定しました。戸別訪問をし、基準にそって各世帯の状況を確認することにより、プロジェクトの公平性を保ちながら、今回対象とできなかった地域の他の人びとにも納得感がある形で、プロジェクトを実施できました。

  質問4)被災された皆さん、大洪水を受けて、もう自然災害は経験したくないと感じられているかと思いますが、
      今回の経験は、今後の災害時やその後の立ち直る際に何か生かせそうなことはありますか?
      また、気持ちの面で洪水前と後で変化はありましたか?

洪水の経験から、またジェンのプロジェクトを通じて、私たちは多くのことを学びました。今は、今後起こり得る災害への備  えができています。具体的には、作付けのための種を安全に保管できる場所を設置し、全農家に周知しました。もしまた洪水が発生しても、ここに種を保管すれば浸水被害を防ぐことができ、洪水後に栽培できるため、食糧の確保につながります。さらに、水害に強い種類の種を手に入れたため、栽培中の水害に対する回復力も向上しました。落ち込んでいた私たちの気持ちは前向きになり、自信を取り戻し、将来への備えもできていると感じています。


本イベントは、2024年10月末日まで見逃し配信をご視聴いただけます。ご覧になりたい方は、一食平和基金事務局までお問い合わせください。
連絡先:ichijiki@kosei-kai.or.jp