一食ブログBlog

心の通ったコミュニケーションでよりスムーズな活動を目指していきます~NGOマネージャー実践プログラムに参加したパルシックの飯村文(あや)さんからの手紙

Oct 01, 2025

こんにちは。

 私は「パルシック」という国際協力NGOで働いています。自然災害や戦争で生活に困っている人たちが普通の生活に戻ることができるように、食糧や衛生用品を配り、人びとの生業を支援する団体です。私はシリア難民の子どもたちが隣国レバノンで学校に通うための事業や、シリア国内で農家の方たちを支援する事業を担当していたのですが、事業部部長になることに伴い、マネージャー実践プログラムに参加させていただきました。

_
プログラム修了を迎えた講師と受講者(中央に飯村文さん)
プログラム修了を迎えた講師と受講者(中央に飯村文さん)
_

パルシックの事業は、各事業地の駐在員、現地のNGOのスタッフなど、様々な方たちと協力して行っています。その中で、駐在地や国内の同僚から事業や人間関係について相談を受けることが多くなってきたのですが、マネージャー実践プログラムを受講してから、相手のモヤモヤや悩みの奥にはどんな感情や満たされない思いがあるのかを考えながら、相手の話を聞くことができるようになりました。相手の状況や求めるものがわかれば、その思いを汲み取った対応ができるようになります。結局どんなことでも、人と人の関係が大事なのだと感じています。
_
プログラムに参加する機会を与えていただき、どうもありがとうございました。

_
パルシックの活動より(レバノンで学ぶシリア難民の子どもの様子)
パルシックの活動より(レバノンで学ぶシリア難民の子どもの様子)
_

********
_

一食平和基金合同事業「NGOリーダー応援プロジェクト」を実施している国際協力NGOセンター(JANIC)の佐藤宏美と申します。

貴基金の尊いご協力で、「組織に変化をつくるNGO/NPOマネージャー実践プログラム」を実施させていただきましたので、ご報告申し上げます。

_
対面研修でのグループ・ディスカッション
対面研修でのグループ・ディスカッション
対面研修でのグループ・ディスカッション
_

◆プログラムの狙い

 NGOには多様なステークホルダーがかかわっています。バックグラウンドも価値観も違う人々の間の意思疎通を深め、一人ひとりが力を発揮して、よりよい社会づくりに貢献できる環境を醸成するために、リーダー層の人的マネジメント能力は重要なキーファクターの一つです。NGOマネージャー層が、コミュニケーション力を高めて組織内のコンフリクト(葛藤、対立)に向き合う方法を体験を通じて実践的に学び、職場や活動現場に具体的な変化を生みだすことを目的に、プログラムを開発しました。
_

◆プログラムの概要

 今年2月に対面で2日、3月にオンラインで2日、合計4日のプログラムを実施しました。対面研修では、コンフリクトに向き合うリーダーシップを育むワークショップと、参加者の実際のケースを通じてコンフリクトを超える方法を学ぶ演習が行われました。数週間の間隔を置いて開催されたオンライン研修では、その間の各自の実践を振り返り、コンフリクトの場面でのコミュニケーション・スキルとファシリテーション基礎スキルを習得しました。

_
◆受講者のその後の声

・コミュニケーションの悩みはどの団体にもあるのではないか。組織内、チーム内コミュニケーションで気を付けるポイントを押さえて、ファクト重視になりがちなコミュニケーションの改善策として役立てたい。

・NPO/NGOはかかわる人が他セクター以上に多く、人と人の関係がより重要になるので、コミュニケーションの質を高めることが大切。今回の研修を受講して、コミュニケーションの質が変わったと実感する。

・団体から複数名で参加したことで、互いの考えや悩みをより深く理解し合えたし、組織での実活動にも一緒に活かしやすくなった。

・自身の抱えていた問題や悩みに否が応でも向き合う時間をもらえてよかった。

・同じ悩みを抱えている仲間に出会えた安心感と、立ち向かっていく勇気をもらった。参加者同士でポストイットに書いて交わしたコメントは、本当に力をもらえるものばかりで、今でもノートに貼って持ち歩いている。

・スタッフとの面談で、相手のニーズや感情を探りながら発言するようになった。相手からも、今後の展望や組織に関する積極的な発言が増えたような気がする。

・部署メンバーとの面談で、気持ちを探るような質問をあえてしてみた結果、素直に話をしてくれた。その人が何を本当は求めているのかを知れたと思う。

_

 貴基金には、国際協力NGOの組織力強化に向け、継続的なご理解とご協力、そして毎年のお慈悲を賜り、心より感謝しています。今後とも、ご期待に沿えるよう一層邁進してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
_