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すべての人が医療サービスを受けられますように
Feb 12, 2022
一食平和基金の支援を受けと合同で、「スワスト・セバ(立正佼成会メディカルサービス)」を実施しているNGO法人立正佼成会バングラデシュのオヌズ・ボルアです。
バングラデシュにおける保健衛生環境は劣悪であり、遠隔地に住む人々は保健衛生分野のサービスを十分に受けられないでおります。彼らの中には無資格で保健サービスを施す人たちによる誤った処置や医療ミスを被っている人もいます。ほとんどの人が、有資格の人たちに診てもらうための治療費を払えるほどの余裕がありません。このような状況を考え私たちは貧しい人々の家の近くでの無料医療サービス実施を目指しています。
バングラデシュの医師や医療スタッフの数は日本に比べるとかなり少なく、2018年のデータで、医師の数は日本が人口10,000人あたり25.9人に対しバングラデシュは5.8人、看護師・助産師では日本が人口10,000人あたり128人に対してバングラデシュは4人ととても少ない状態です。
ダッカ市のいくつかの病院では最新設備を導入して先進的治療が施行されていますが、心筋梗塞、脳梗塞、多発外傷などの重症疾患では看護スタッフの少なさから継続的で詳細な患者観察は望むべくもなく、24時間常に対応できる医療機関は極めて少ないのが現状です。また、医薬品は市中の薬局で購入できますが、高温多湿の中で保管され、有効期限切れのものも少なくありません。
私たちは主に下記の四つの目的で活動を行っています。
1.貧困層の人々に医療のサービスを提供すること。
2.貧困層の人々の保健衛生に関する問題意識を確立すること。
3.応急手当の訓練をボランティアに行うこと。
4.医療科学の適応指導のための医療雑誌の発刊。
具体的には毎週金曜日の無料診察やセミナーをチッタゴンにある立正佼成会バングラデシュ教会で行い、遠隔地、例えばダッカの郊外やコックスバザールにおいては無料医療キャンプ、セミナー、応急処置プログラム、血液型・血糖値検査、任意による献血、医療雑誌の発刊などの活動を行っております。 年間延べ3,500人ほどの方々が診察やセミナーを受けています。
ここで診察の様子や診察をご覧いただきましょう。
金曜日の無料診察を受けている様子
アミンさん(70歳)
薬を渡しているところ
ここでエピソードをひとつ紹介します。2021年6月、このプロジェクトの中心人物でありましたトルン博士がお亡くなりになりました。バングラデシュでは大変有名なお医者様です。この方は本プロジェクトのために命を捧げた方でもありました。博士を慕い、尊敬するが故にプロジェクトに協力してくれていた医師の方も少なくなりませんでした。そのトルン博士がお亡くなりになったとき、私はこのプロジェクトを継続できるのか一瞬不安になりました。しかし、一カ月後今まで協力して下さっていた医師の方々からこのプロジェクトを絶やしてはいけないという声があがり、三人の先生方が事務局長やその他の重責を担って下さることになりました。改めてこのプロジェクトが今のバングラデシュには必要なこと、そして、その必要性を理解して下さる医師の輪が確実に広がっていることを感じました。
トルン博士の夢は貧困者のための総合病院を建てることでした。トルン博士と同じ夢をもつ医師やボランティアそして貧困層の人々にも輪を広め、これから何十年かかろうともその灯にむかって歩んでいきたいと思います。
一食平和基金に協力して下さっている日本のみなさんに心からお礼を申し上げます。また、この活動を通してバングラデシュにおいても一食の精神(同悲、祈り、布施)を広めていきたいと思います。ありがとうございます。