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新型コロナの影響を受けた家族への緊急物資配布
Sep 22, 2021
一食平和基金の支援を受け、新型コロナの影響を受けたご家族への緊急支援を実施した認定NPO法人ジェンの木山啓子です。
新型コロナは、世界中で人びとの生活に重大な影響を及ぼしました。特に、元々厳しい状況にあった方々にとっては、大きな試練となりました。一食平和基金のお蔭でジェンは、パキスタンの中でも、戦闘の被害の大きいハイバル・パフトゥンハー(以下、KP)州で暮らす人びとに、食料と衛生用品を緊急配布することができました。その支援を受けたお二人の声を紹介させていただきます。
ナビラ・バシャールさんは、パラチナルにあるザナナ病院で日雇いの非常勤看護師として働いています。パキスタンでは、いくつかの家族が共同生活をする拡大家族という暮らし方も珍しくありません。ナビラさんは14人家族で、その主な収入源は、ナビラさんの日給とのことです。ナビラさんは語ります。
「私は、パンデミックの時に病院で働く中で新型コロナに感染しました。その翌週には、家族の内の5人が陽性となりました。家族全員が外に出ることは許されず、私も働きに出られなかったので、家族全員が収入の道を断たれました。生きてゆくために仕方なく、親戚や友人から借金をしました。生きるということは食べることだけではありません。私は弟や妹に良い教育を受けさせる責任があります。今は、回復したので職場に戻ることができましたが、借金が心配でした。この食糧配布のお蔭で少しずつ、借金を返すことができそうです。そうすることで、弟や妹たちの教育も続けることができそうです。ありがとう、という言葉だけが、私が皆さんにお返しできるものです。」
グラブ・フセインさんは、11人家族を抱える商店主です。
「新型コロナの感染が拡大するまでは、私のお店での売り上げで、食費や教育・医療など、家族の生活を支えることができていました。ところがパンデミックが発生し、家族全員にとって唯一の収入源である店を、私は過去10か月間店を開けることができませんでした。私はとうとう、家族の食べ物を買うために、友達から借金をすることを余儀なくされました。借金は、日々増えています。そこに追い打ちをかけたのが、家族の内2人の感染でした。この時、誰も外に出ることは許されませんでした。私は、とても心配していた時に、この食糧配布があると聞いたのです。今も収入源は途絶えたままで厳しい状況ですが、この食糧配布で本当に安堵しました。家族全員が喜んでいます。私は生来明るい性格です。きっと良い日がもうすぐ来ると思っています。そんな日が来たときには、私はこの貴重な支援のことを思い出すでしょう。」と、グラブさんは語ってくれました。
人びとは、厳しい状況の中でも、懸命に前を向いて生きています。その生きる力を支えるお役をジェンに託していただき、本当にありがとうございます。