一食ブログBlog

マラウイのHIV/エイズ治療と出生登録事業について

May 22, 2024

聖エジディオ共同体は、マラウイでDREAM(HIV/エイズ治療)とBRAVO!(出生登録)プログラムを行っています。

 

DREAMプログラムでは、ムテンゴ・ワ・ンテンガ保健センターでHIV/エイズ患者に必要なケアを行い、HIV陽性妊婦および授乳中の母親の母子感染予防に取り組んでいます。
また、BRAVO!プログラムは、バラカ地区ですべての子どもたちに出生証明書を発行するための活動をしています。

 

DREAMプログラムで実施している母子感染予防治療により、HIV陽性の母親から生まれた子どものうち99%が、HIVに感染せずに誕生することができるようになりました。
さらにムテンゴ・ワ・ンテンガ保健センターは、農村部に位置しているにも関わらず、欧米諸国と同水準のエイズ治療と予防事業が可能となっています。

 

センターでの血液検査の様子

2023年度、DREAMプログラムでは、ムテンゴ・ワ・ンテンガ保健センターのHIV陽性者、HIV陽性妊婦とDREAMプログラムを経て生まれたその子どもたちなど約1,650人、そしてドーワ地区在住のすべてのHIV陽性者(約8,250人)へ支援を行いました。

本プログラムは、HIV陽性者の健康と福祉に大きな改善をもたらしています。
これは私たちだけでなく、長年に渡り数多くの医療専門家、看護師、技術者、ソーシャルワーカーが、本プログラムが提供する研修を受け、そのスキルを高めてきた成果でもあります。

 

センターでの講習会の様子

 

その一例が、DREAMプログラムの患者であるアグネスです。
2008年、アグネスは重病を患い、その健康状態の深刻さから家族からも見放されていました。
しかし、すでにDREAMプログラムを利用していた隣人が、彼女にHIV検査を受けるよう勧めました。
陽性の結果が出たことで、彼女はDREAM保健センターに通うようになりました。
そこで彼女は抗レトロウイルス治療を開始し、人生が根本的に変わったのです。
それ以来、健康状態は著しく改善され、農業に復帰できるようになりました。
現在、アグネスの健康状態は良好で、抗レトロウイルス治療のおかげで2人の健康な子どもが生まれました。
このプログラムは、彼女の病気を、感謝と強さに変えたのです。

 
BRAVO!プログラムの活動の中心地であるバラカ地区では、子どもたちが人口の60%を占め、家事労働、児童労働、
そして残念ながら性的搾取や臓器売買など、様々なリスクにさらされています。
このような状況があるからこそ、子どもたち一人ひとりの確実な保護を目的として、
全ての子どもの出生登録を目指すこのプログラムが、2015年に開始されました。
バラカ地区にある11か所の医療施設と連携しながら、これまでに約10,000人の新生児の出生登録を行うことができました。

 

出生証明書受け渡しの様子

 

今ではBRAVO!プログラムを通じて、バラカ地区の出生登録は日常生活の基本となっています。
これは家族と社会基盤の強化に貢献し、国の行政機構を支えることに繋がっています。

同様に、ムテンゴ・ワ・ンテンガ保健センターは、医療の現場で重要な役割を果たしており、DREAMプログラムによって、たくさんの命が救われています。

一食を捧げる運動によるご支援がなければ、このような成果を得ることはできませんでした。
本当にありがとうございました。