トルコ地震被災者支援活動
Jan 12, 2024
一食平和基金のご支援を受け、『トルコ地震被災者支援活動』を実施している特定非営利活動法人アムダ理事の難波妙です。 2023年2月6日未明、トルコ南部を震源とするマグニチュード7.8の地震が発生しました。この悲惨な災害により、45,089人が亡くなり、1,971,589人が避難生活を余儀なくされました。(3月1日、トルコ災害緊急事態対策庁(AFAD)発表)アムダは2月11日、医療チーム(医師1人、看護師1人、日本在住トルコ人調整員1人)を現地に派遣しました。その後、更に医師1人、看護師1人を追加派遣し、トルコ及び地元医師会と協力し、トルコ・アドゥヤマン (Adiyaman)県を中心に健康相談や物資の提供を行いました。
アムダのチームは、周辺地域から来た医療従事者と協力して、村々を巡回し、支援ニーズ調査と健康相談も行いました。多くの避難者が高血圧や糖尿病などの持病を抱えていても治療を受けることができない状況でした。私たちに血圧や血糖値の測定も依頼する人や、ストレスで持病が悪化した人や腹痛が起きている人など、多くの人たちが過酷な環境の中での避難生活を続けていました。
また、氷点下にも達する寒さの中、テント生活をしている被災者の方々に、現地で購入した毛布や発熱性の肌着などを配布しました。また、感染症予防のため、シャンプーやハンドソープ、ウェットティッシュ、タオルと生理用品のセットも避難者に提供しました。加えて、子どもたちへのお菓子や、ヒジャブ(イラム教の女性が頭や身体を覆う布)も配付しました。
今回、日本から派遣されたトルコ人調整員は、トルコ人の人柄について「トルコの人はみんな優しく、お客さんがきたらお茶を絶対お出します。あんなに辛い事があってきっと家族の誰かが亡くなっています。それでも日本から応援に来てくれた、それだけでみんな嬉しくて笑顔になります。お茶を共にすることで私たちは彼らに笑顔と元気を与えることができます。」と話しました。
さらに、私たちは様々な形でトルコの子どもたちとも交流しました。ボランティアとして一緒に村を巡回した保育士やスポーツインストラクターたちは、子どもたちと体を動かし、大きな紙に絵の具をつけた手で絵を描きました。また、アムダチームは、日本から持参したシールや折り紙などを使って子どもたちと交流しました。子どもたちは、チームが折った鶴で遊んだり、折り紙の風船に息を吹き込んで膨らませたりと、たくさん笑顔を見せました。
現在の被災地の状況
以下、アドゥヤマン医師会会長 Ismil医師からの報告
9月1日、アディヤマンでは仮設キャンプが解体され、人々はコンテナに移されました。まだ、家を離れられない人々はテントで生活する人もいます。建物の解体作業が進む中、崩壊した建物は、現地で分別されています。そのため、市内全体にほこりが広がっています。先週、ほこりからアスベストとシリカの含有量を調べるためにサンプルを取得しました。人々の間で下部呼吸器感染症や咳、結膜炎が大幅に増加しています。
医師たちは依然として住居問題に直面しており、多くがコンテナでの生活を余儀なくされています。この問題に対する解決策を見つけるために努力しています。医師会の施設も崩壊しましたが、再建手続きを開始しました。ただの医師会の施設だけでなく、医師たちが利用できる部屋を計画しています。現時点では4つの部屋のための資金がありますが、少なくとも10名の医師が滞在できる場所を作ることを目指して、更なる資金調達を続けています。
10月8日には、アディヤマンの倒壊した建物の解体作業がはじまりました。新しい街の建設に向けて動き始めました。
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一食平和基金の皆様からのご支援に心より感謝申し上げます。皆様のご支援がアムダの活動を支え、被災地の復興への希望を繋ぎます。アドゥヤマン医師会と連絡を取りながら復興に向けた支援策を検討しています。今後もアムダの支援活動にご注目いただければ幸いです。