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2023年、ミャンマーにおける国連WFPの食料支援活動のご報告

May 14, 2024

一食平和基金のご支援を受け「ミャンマー学校給食事業」を実施する、WFP国連世界食糧計画の公式支援窓口である認定NPO法人・国連WFP協会の矢部と申します。
一食平和基金の皆様からの継続的なご支援に、心より感謝申し上げます。

この度は、昨年2023年度のミャンマーにおける活動につきまして、学校給食支援を中心にご報告いたします。

○ミャンマー国内の状況
ミャンマーの人々は、紛争と政治的危機によって、食料不安・栄養不良に苦しみ続けています。 202121日にはミャンマー軍が軍事政権を掌握し、選挙で選ばれた文民政府を追放しました。反政府軍とミャンマー政府軍との間の紛争は激化しており、政治危機によって不安定な生活が続いています。

同時に、銀行、医療、教育、運輸などの多くのセクターでも大規模な混乱が起きています。202312月時点で、およそ260万人が避難生活を余儀なくされています。紛争の影響によって故郷を離れている人は、わずか数ヶ月の間に60万人以上に上りました。 

国内各地で衝突が激化するなか、食料価格が高騰し、その日の食料にも困り、割れた米粒などを食べて暮らしている人もいる状況です。

○国連WFPの支援活動
国連WFPでは、未就学児と小学生を対象に学校給食支援を行っています。学校に通う子どもたちは正午にはビスケットや温かい食事を受け取ることができます。

給食で配られるビスケットは、たんぱく質やビタミン、ミネラルが豊富に含まれた栄養強化ビスケットです。このビスケットによって不足する栄養を補うだけでなく、勉強への集中力アップにも一役買っています。

国連WFP提供の栄養強化ビスケットを楽しむラカイン州北部の学校の生徒たち©WFP/ Zaw Lin

 

食事は主に国連WFPからの資金提供を受けて準備されていますが、地元で作られた農作物、地元の市場や保護者などから提供された食材も含まれています。地域から提供された食材を使って学校給食を提供することで、雇用創出や市場の活性化につながり、ひいては支援対象者の方々の自立を促すことも国連WFPの支援の一つとしています。

武力紛争と高インフレのさなか、国連WFPが提供する学校給食が幼い子どもたちにとって1日で唯一の「栄養価の高い食事」となる場合もあり、一刻も早く食料不安が解消されることを望んでおります。

ラカイン州中部で学校給食支援の一環として国連WFPが提供した栄養豊富な昼食を楽しむ子どもたち©WFP/ Myat Tun Kyaw

 

○激化する対立と支援活動への影響
国際NGOである国際危機グループ(ICG)は、202311月にミャンマーを「状況が悪化した、危機的な影響を受けた国」に指定しました。南東部カイン州における激しい軍事衝突により閉鎖された学校があり、一部の町では武装集団の連合軍に占拠され、学校給食支援活動に影響が出ています。

また、流通が制限されているため、食料や燃料の価格が高騰し続けています。2022年度比で、2023年度の米の市場価格は+89%、タマネギは+125%、燃料価格は+56%となっています。

バゴー地方の救援食料配給チームは、燃料価格の高騰によって十分な燃料を購入できず、車両による配給が困難になっています。

○国連WFP職員の状況
202311月、国連WFPの食料を輸送中のトラックが、サガイン地域のティギャン町で現地の武装グループによる検問で止められましたが、国連人道問題調整事務所(OCHA)とも連携し、3日後には配送を続けることになりました。

 ○今後の支援活動について
ミャンマーにおける国連WFPの学校給食支援の最終的な目標は、ミャンマーのすべての学校で、政府が管轄する給食が確立されることです。しかし、現在の不安定な政治状況により、開発パートナーとの話し合いは始まっているものの、政府への移管に関してはまだまだ長い道のりがあります。

国連WFPは、このような局面においても、弱い立場に置かれた人々の食料の安定的な供給、栄養状況、経済状況、そして教育が改善されることを目指し、引き続き支援を行っていきます。

 ぜひ皆さまの継続的なお気持ち、ご支援を頂戴できますと幸いです。