一食ブログBlog

立正佼成会メディカルサービス(バングラデシュ)

Jan 14, 2025

一食平和基金と合同で、「スワスト・セバ(立正佼成会メディカルサービス)」を実施しているNGO法人立正佼成会バングラデシュのオヌズ・ボルアです。

 バングラデシュにおける保健衛生環境は劣悪であり、遠隔地に住む人々は保健衛生分野のサービスを十分に受けることができていない状態です。彼らの中には、無資格で保健サービスを施す人たちによる誤った処置や医療ミスを被っている人もいます。ほとんどの人が、有資格の人たちに診てもらうための治療費を払えるほどの余裕がありません。このような状況を考慮して、私たちは貧しい人々の家の近くでの無料による医療サービスを実施しています。

 バングラデシュの医師や医療スタッフの数は日本に比べるとかなり少なく、2020年のデータで、医師の数は日本が人口10,000人あたり25.7人に対しバングラデシュは6.67人、看護師・助産師では日本が人口10,000人あたり131.5人に対してバングラデシュは4.89人ととても少なく、医師の7割強にすぎません。

 ダッカ市のいくつかの病院では最新設備を導入して先進的な治療が行われていますが、心筋梗塞、脳梗塞、多発性外傷などの重症疾患では看護スタッフの少なさから継続的で詳細な患者観察は望むべくもなく、24時間体制で対応できる医療機関は極めて少ないのが現状です。

 また、医薬品は市中の薬局で購入できますが、高温多湿の中で保管されることで品質の劣化や使用期限切れのものも少なくありません。

 

 私たちは主に下記の四つの目的で活動を行っています。

1,貧困層の人々に医療サービスを無償で提供すること。
2,貧困層の人々の保健衛生に関する問題意識を喚起すること。
3,応急手当の訓練をボランティアに行うこと。
4,医療科学の適応指導のための医療雑誌の発刊。

 

 具体的には毎週金曜日の無料診察やセミナーをチッタゴンにある立正佼成会バングラデシュ教会で行っており、遠隔地、例えばダッカの郊外やコックスバザールにおいては無料医療キャンプ、セミナー、応急処置プログラム、血液型・血糖値検査、任意による献血、医療雑誌の発刊などの活動を行っております。

年間延べ3,500人ほどの方々が診察やセミナーを受けています。

 

 

2024年9月6日 立正佼成会バングラデシュ教会の一階で毎週金曜日に行われているメディカルサービスの様子です。

この日の受診者は20名(医者は1名)でした。

<受益者の声>
名前:プロディープ・ボルア

年齢:68歳  性別:男性

 私は長い間、立正佼成会メディカルサービスを利用しており、そのおかげで回復しています。このサービスは一般の人々にとって非常に有益で、言葉では表現できません。そのため、立正佼成会に対して深く感謝し、心からお礼を申し上げます。このサービスが将来も継続し、この機関がますます繁栄することを願っています。

名前:ファテマ・ベグム、

年齢:65 歳  性別: 女性 

私はファテマ・ベグム、65歳です。ここに来て、無料の医療サービスを受けられてとても嬉しく思っています。私たちのような貧しい人々は、無料で診察や薬をもらえて非常に助かっています。同じように困っている人々にもこのサービスについて知らせています。RKKメディカルサービスに心から感謝し、深くお礼を申し上げます。

 

名前:フィローザ

年齢:57 歳  性別: 女性 

私は姉からこのサービスのことを聞き、遠くから今日初めてここで診察を受けに来ました。

お医者さんは丁寧に診察してくださり、薬も処方していただきました。それらの薬を無料で受け取ることができ、本当に嬉しく思っています。将来、また体調が悪くなった際には、ここで再びサービスを受けるつもりです。心から感謝とお礼を申し上げます。

 2021年6月に、このプロジェクトの中心人物でありましたトルン博士がお亡くなりになられましたが、他の医師の方々からこのプロジェクトを絶やしてはいけないという声が上がり、三人の先生方が事務局長やその他の重責を担って下さることになりました。

 改めてこのプロジェクトが今のバングラデシュには絶対に必要なこと、そして、その必要性を理解して下さる医師の輪が確実に広がっていることを感じました。

 トルン博士の夢は貧困者のための総合病院を建てることでした。トルン博士と同じ夢をもつ医師やボランティアそして貧困層の人々にも輪を広め、これから何十年かかろうともその灯に向かって歩んでいきたいと思います。

 一食平和基金に協力して下さっている日本の皆さまに心からお礼を申し上げます。

 また、この活動を通してバングラデシュにおいても一食の精神(同悲、祈り、布施)を広めていきたいと思っています。ありがとうございます。