一食ブログBlog

一食50周年記念イベント 「一食事業報告会」ご報告!

Oct 15, 2025

みなさんこんにちは!一食事務局です。

 

9月13日、オンライン配信にて開催しました「一食事業報告会」についてご報告いたします。

今回のオンライン報告会は、合同プロジェクトのパートナー団体である聖エジディオ共同体のメンバーに、マラウイから来日していただき、立正佼成会大船教会を会場に、マラウイにおける「HIV/エイズ(DREAM)事業」について報告をいただきました。
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報告会には、全国から500名を超えるみなさんのご参加がありました。

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初めに、DREAMプログラムで治療者としてかかわってきた医師のハワ・ママリ・サンガレさんから事業報告がありました。
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【サンガレ医師(報告要旨)】

マラウイは貧困層が多く、HIV/エイズの影響を長く受けてきました。2002年に創設されたDREAMプログラムは、無料で質の高いHIV治療を提供し、検査・栄養・地域支援など包括的な医療を展開してきました。お金の負担がなくなることで、子どものいるお母さんや若者たち、高齢者が「治療費か食事か」を選ぶことなく、治療を続けられます。無料で質の高い医療を届けることは、人としての尊厳と公平さを守りたいという願いが込められています。また、DREAMは「患者中心のケア」を重視し、友情と信頼に基づく治療を行うとともに、医療従事者の育成を通して国全体の医療体制の向上にも貢献しています。「一食を捧げる運動」の15年以上にわたる長年の支援により、無償治療が実現しています。心より感謝申し上げます。

 

その後、HIV陽性者の治療継続のための支援にあたっているアクティビスト、レティシア・ムクワパタさんより活動を通しての体験談が語られました。
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【ムクワパタさん(体験談要旨)】

アクティビストとは、人々と医療・地域・希望をつなぐ「架け橋」です。私は人々の声に耳を傾け、治療や服薬の大切さを伝え、家庭を訪問しながら、通院を支えています。恐怖が生きる力に変わるまで共に歩み続け、偏見や困難に直面する人のそばで尊厳を取り戻す支援をします。かつてHIV陽性と診断された私自身も、DREAMプログラムに救われた経験から、今度は他者を支える側になりました。小さな変化や笑顔、仲間の成長、健康な母子の姿に触れる瞬間を目にするたびに、私はこの道を選んでよかったと心から思います。皆さまの温かなご支援が、この希望の架け橋を支えています。


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その後の質疑応答の時間には、参加者から質問や感想が寄せられました。

(質問)支援を受けた方が自らアクティビストとなって活躍していることはとても素晴らしいことだと思います。年々、そのようなアクティビストとなられる方は増えているのでしょうか。

(ハワさんからの回答)アクティビストになる人は年々増えており、年に12回研修が開催され、毎年約5080名が修了しています。クリニック所属のアクティビストはなれる人数に制限がありますが、家庭訪問を中心とする地域で活動するアクティビストは増加しています。また、DREAMの活動を参考に「メンターマザー」という制度を導入する他団体もあり、その影響は広がっています。

 

配信を見た参加者からは、以下のような感想が寄せられました。

・現地からの生の報告や、支援を受けた人の声を直接聞くことができてよかった。

・自分たちの一食献金が命を救い、人々の生活や尊厳を支えることに役立っていると実感できた。

・サンガレさんが、病気治療を家族・宗教・災害・生活まで含めた「総合医療」として捉える姿勢に感銘を受けた。

・ムクワバタさんの「アクティビスト」として寄り添う姿勢や、人々の尊厳を尊重する覚悟に心を打たれた。

 

サンガレさんとムクワパタさんによる一食事業の報告を通して、遠く離れた土地で一食を捧げる運動の献金がHIVの治療を必要としている人々の希望となっていることを確信できた機会となりました。また、一食運動に取り組む私たちの想いと、DREAMプログラムに関わる皆さんの「人としての尊厳を守り、困難に直面する人に寄り添いたい」という想いが、同じ願いのもとでつながっていることを実感し、心あたたまる、喜びに満ちた報告会となりました。

報告会にご参加をいただいた皆さん、開催にご協力をいただいた皆さん、ありがとうございました!