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「一食福島復興・被災者支援」事業報告会
Feb 28, 2026
いつもブログ記事をお読みくださり、ありがとうございます。
今回は、「一食福島復興・被災者支援事業」が2025年度(2026年3月)で終了を迎えるにあたり、福島県双葉郡大熊町で2月6日に行いました「事業報告会」についてご報告します。
東日本大震災から15年:住民主体の復興に伴走する一食支援
2011年3月11日の東日本大震災発生後、一食平和基金は東北3県を中心とした被災地の支援に取り組んでまいりました。地震と津波、その後の東京電力福島第一原子力発電所の事故による未曾有の複合災害に見舞われた福島県では、2014年に「一食福島復興・被災者支援」事業を開始しました。住民主体で復興事業を行う団体を対象に、これまでに支援させていただいた団体の数は50を越え、お届けした支援金は1億円以上となります。
この事業の大きな特徴は、「住民主体の復興に伴走する支援」であること、そして「単年で終わらせることなく、地域の実情に寄り添いながら10年以上にわたり継続して歩みを重ねてきた」ことです。
発災から15年を目前にして、福島県では市民団体による復興への取り組みが着実に進んできました。住民主体の復興を応援するとの目的は一定程度達成したことから、同事業を終了することになりました。
報告会には、助成を受けた9団体の代表をはじめ、一食平和基金運営委員のほか、福島県内にある立正佼成会の7教会の教会長さん方や会員さん方もご参集くださり、約60人が参加しました。

報告された支援団体の活動内容は、子育て世帯の孤立を防ぐ居場所づくり、女性のための支援拠点の運営、住民同士の対話の場づくり、若者や就労困難者の社会参加支援など、多岐にわたります。どの活動も行政の制度だけでは行き届きにくいところに寄り添う支援です。
復興支援活動報告:「被災者からの卒業」と「お互いさまの文化の定着」に向けて
報告の中から一部をご紹介します。一般社団法人南相馬パブリックトラスト(南相馬市)の原田淳子さんは、被災地で住民が孤独にならずに、主体的に社会参加する機会を提供する「このゆびとまれプロジェクト2025」の活動を発表くださいました。
プロジェクトの発端は、被災した地域住民が、東日本大震災以降も度重なる地震が発生したり、復興がなかなか進まぬ状況に、活力が湧かず、「災害疲労」を起こしている状況にありました。そこからなんとか一歩を踏み出そうして立ち上げた震災支援から生活再建へ移行するためのプロジェクトです。

「南相馬パブリックトラスト」の原田さん
原田さんが、住民の方々に話を聞いていくなかで分かったのは、災害が発生した際に、自分もとても大変で、ボランティアの方々へのサポートをできなかったことを悔やんでいる方がいることでした。そして、本当はそうした救援活動者に炊き出しをしたかったという温かい想いでした。住民とのそうした対話から、新たな一歩を踏み出すために、毎週炊き出しの練習をすることにしたそうです。炊き出しの練習をしていくうちに、「野菜が必要だ」、では「畑で育てよう」と、どんどん発想がふくらみ、それが行動へとつながっていきました。収穫した野菜を料理をして、生活困窮者の方々等に配布していき、さらに困っている人がいればそのお手伝いまで広がったそうです。印象的だったのは、男性達が率先して集まってくれて、庭木の手入れや、家の掃除などに力を貸してくれるということでした。こうした“おとうさんたち”は、地域で頼りにされて、自分の役割があることに生きがいを感じているようでした。
原田さんは、「一食の支援のおかげで、被災者の方々が自ら立ち上がり、『被災者からの卒業』をして、支援者への一歩を踏み出そうとしています。これからも、『お互いさまの文化』を定着させていきたいです。」と笑顔で話しておられました。
元々は支援事業などを経験したことのない地域の人たちが、助けを必要としている目の前の人たちに、同じ被災者として痛みを共有しつつ、自分も被災者だからこそできる支援を立ち上げていること、そしてこうした「住民主体の復興」に「伴走した支援」となっていたのが、わたしたちの一食運動であったことを学ばせていただきました。
参加くださった福島県内の各教会の会員さん方も、一食運動の浄財が地元の復興を支えるためにどのように活用されているのか、とても関心をもって真剣にお聞きくださり、その意義をかみしめておられました。
人から人へ:一食が広げる善意の輪
支援団体の選考や団体へのサポートを委託している「うつくしまNPOネットワーク(UNN)」の事務局長の鈴木和隆さんは、報告会が終わった後、一食事務局に心の内を吐露くださいました。「(報告会が)無事に終わってホッとしています。一食運動のお金が、大切な食事を抜いて寄せられたお金であると知って、私たちもそれに見合うような覚悟をもって取り組まないといけないと思いました。助成団体の報告から、一食実践者の皆さんの想いを受けとめ、そのご寄付を大切に活用していることが分かりました」。一食運動を尊く思ってくださり、助成団体にもお伝えくださっている鈴木さんのことばを感謝の気持ちで聞かせていただきました。

「うつくしまNPOネットワーク(UNN)」の鈴木事務局長さん
一食福島復興・被災者支援事業は一区切りとはなりますが、UNNの鈴木さんは、「『3・11』後の新しい時代は、始まったばかりです!」として、今後も本事業を縁として出会った団体と連携を続けていかれると意欲的に語ってくださっています。わたしも、被災地の復興や地域の課題に向き合う善意ある方々を忘れず、今後も想いを寄せながら、一食運動をますます推進していきたいと思いを新たにしました。
お読みくださり、ありがとうございました。
