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一食人材塾「REAFF」~世界と出会い、自分を開き、未来へ踏み出す~
Sep 28, 2026
一食平和基金事務局のTです。今年からスタートした「一食人材塾 REAFF(リーフ)」が、全3回の国内研修とフィリピンでの海外研修を終えましたので、ご報告します。
このプログラムは、「一食を捧げる運動」の根底にある「一乗精神」を深く学び、自他の仏性を敬い平和を築く人材、そして地域や地球規模の課題に主体的に向き合い行動できる人材の育成を目指して設立されました。「REAFF」という名称は Rissho kosei-kai Empowering Aspiring Fellows to Flourish の頭文字を取ったもので、「志を持つ仲間たちが、自らの可能性を花開かせることを応援するプログラム」という意味が込められています。
全国から集まった15名の参加者は、国内で3回にわたり行われた研修を通じて、政治・NGO・宗教など各界の素晴らしい方々と出会い、高い志を持って平和を築くための実践姿勢を学びました。また海外研修では、「一食を捧げる運動」の支援先を直接訪問し、貧困をはじめとする世界の厳しい現実に直面しました。
政治と向き合う――第1回国内研修(4月25日・26日)
「政治」をテーマとした第1回研修では、まず自由民主党本部を訪問しました。国会議事堂に足を運ぶ機会はあっても、政党の本部に足を踏み入れるのは受講生にとって初めての体験です。報道などで見慣れた記者会見場などを目の当たりにし、実際の政治が動く現場の臨場感を肌で感じました。
次いで永田町の会議室で、国民民主党の榛葉賀津也幹事長よりご講演をいただきました。榛葉幹事長は、アメリカの大学への進学やイスラエルの大学院への留学に挑んだ経験を紹介。自らの可能性を閉ざさず、困難をチャンスに変え、多様な背景を持つ人々との交流や対話を重ねながら、粘り強く課題を乗り越えてきた経験が、現在の政治家としての原点になっていると振り返りました。また、自らの価値観だけで平和を語りがちな現代の世界情勢に強い危機感を示し、「お互いの違いを認め合いながら共に生きていくこと」の大切さを受講生に強く訴えました。

榛葉幹事長と受講生
戦争の記憶と歴史を学ぶ――第2回国内研修(6月27日・28日)
第2回研修は、直後に控えたフィリピン渡航への事前学習も兼ねて実施されました。講師には「フィリピン日系人リーガルサポートセンター」代表理事の猪俣典弘氏をお迎えしました。猪俣氏は、太平洋戦争によって家族と引き裂かれたフィリピン残留日本人2世の方々の親族探しや、日本国籍回復の支援に尽力されている方です。
ご講演を通じて受講生たちは、日本が過去に加害者という側面を持っていたこと、そして戦争は決して過去の出来事ではなく、今なお現代に生きる人々に影響を与え続けているという現実に触れ、大きな衝撃を受けました。

フィリピン残留日本人の現実について語る猪俣氏
世界の現実に触れる――フィリピン・ミンダナオ島海外研修(8月20日~29日)
海外研修の舞台となったフィリピン・ミンダナオ島では、「一食を捧げる運動」の支援先である「ミンダナオ子ども図書館(MCL)」に滞在しました。MCLは、児童文学者の松居友氏が設立した現地NGOおよび寄宿施設です。宗教や民族の対立が複雑に絡み合う紛争地域において、親を亡くした子どもや困窮家庭の子どもなど、多様な背景を持つ約40名の子どもたちが一つ屋根の下で暮らしています。MCLのスタッフや奨学生は、周辺の村々を巡り、子どもたちへ絵本の読み聞かせを行っています。
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ミンダナオ子ども図書館(MCL)での記念写真
受講生たちはMCLに身を置きながらボランティア研修に臨みました。ピックアップトラックの荷台に乗り込んで訪問した各村では、集まった50~100名ほどの子どもたちに向け、日本から準備してきた『桃太郎』の読み聞かせや『幸せなら手をたたこう』の歌、そして『ソーラン節』の演舞を披露しました。その後、子どもたち一人ひとりの目線に合わせて身をかがめながら、パンやジュースを手渡しました。

現地の子どもたちに『桃太郎』の絵本の読み聞かせをする受講生
さらに、以前「ゆめポッケ」を届けた小学校や、2019年の大地震で被災し緊急支援を行った小学校も訪問しました。私たちとの出会いに目を輝かせて喜ぶ子どもたち。そして、厳しい環境にありながらも笑顔を絶やさず、目の前の出会いを全身で楽しむ彼らの姿に、受講生たちも深く心を打たれていました。
ミンダナオの大自然に抱かれる体験も、かけがえのないものとなりました。風と光を感じながらトラックの荷台で移動し、自然公園の滝つぼで遊び、MCLで収穫されたばかりのココナッツやマンゴスチン、ドリアンといった恵みを味わいました。
MCLでは、未就学児から大学生までが共に暮らす共同生活が営まれています。食事当番の子どもたちは朝3時半に起きて調理を行い、その他の子たちも朝6時の朝食前に掃除に励みます。受講生も「お客さま」としてではなく共同生活の一員として加わり、朝食の準備やシャワールームやトイレなどの公共の場所、庭の掃除に汗を流しました。
6日間の滞在を通じて、受講生とMCLの子どもたちの間には家族のような絆が芽生えました。相手の名前を呼び笑顔で挨拶すること、親身に耳を傾けること――心温まる交流の中で、受講生たちは「人間の本当の豊かさとは、互いを思いやることにある」と気づかされました。子どもたちと一緒に絵本を読み、バスケットボールをし、踊りながら、「この子のために自分ができること」を一心に実践する中で、かけがえのない喜びを味わったのです。
滞在の最後には、仏教(立正佼成会)、キリスト教、イスラム教、そして地域独自の信仰のことばにより、紛争や戦争で命を落とされた方々への慰霊の祈りを捧げました。そしてミンダナオの紛争終結と世界平和を願い、これからも平和のために行動していくことを誓いました。
8月27日にはミンタル地区の日本人墓地で慰霊供養を行い、続いて訪問したフィリピン日本歴史資料館では、現地に残された残留日本人の田中愛子さん(95歳)とお会いしました。戦時中、家族と離れ離れになり命の危険と隣り合わせで生きてきた凄惨な体験を語ってくださった田中さん。「戦争は絶対にダメです」と強く語るその言葉には、若い世代が平和な社会を築いていってほしいという深い願いが込められていました。

壮絶な戦争体験を語る田中愛子さんの話に受講生は耳を傾けました。
志を未来へつなぐ――第3回国内研修(9月12日・13日)
帰国後に行われた第3回研修では、2名の宗教リーダーとの出会いがありました。
お一人目は、日本バプテスト連盟東八幡キリスト教会牧師であり、認定NPO法人「抱樸(ほうぼく)」の理事長を務める奥田知志氏です。北九州で40年近くにわたりホームレスや生活困窮者の支援に携わってきた奥田氏は、経済的困窮のみならず「社会的孤立」が深刻化する現代において、信仰に生きる青年が果たすべき「使命(ミッション)」について語られました。時には困難に直面することもあるけれど、自分一人の幸せにとどまらず、他者を思いやり行動していくことの大切さを説き、受講生へ温かいエールを送られました。

奥田知志氏と受講生
もうお一人は、立正佼成会学林学長の杉野恭一氏です。国連高等弁務官事務所(UNHCR)やWCRP(RfP・世界宗教者平和会議)ニューヨーク国際事務局などで約30年にわたり紛争和解や諸宗教対話に尽力してこられた杉野学長は、立正佼成会の諸宗教対話・協力の歩みを「Rooted(根ざす)」「Open(開く)」「Connect(つながる)」「Act(行動する)」という4つのキーワードで解説されました。法華経の教えに深く根ざしながら、異なる宗教や世界へと心を開き、対話を通じて共に行動する――この姿勢こそが立正佼成会の創設者である庭野日敬師の歩みであり、現在の平和活動の礎になっていると語られました。そして研修を終える受講生に対し、「自らの枠を超えて一歩踏み出し、挑戦することで、未知の可能性を開花させてほしい」と熱い激励の言葉を贈られました。
おわりに
閉講式では、受講生一人ひとりが半年間の学びと自らの中の変化、そして未来への誓いを発表しました。
「新しいことにどんどん挑戦したい」
「誰かの役に立てる自分になりたい」
会場に響き渡る真っ直ぐな言葉の数々に、胸が熱くなりました。一歩を踏み出した受講生たちのこれからの歩みを、心から応援しています。
