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国際協力に携わる人たちのつながりへ

Jul 08, 2023

一食平和基金と合同で、「NGO切磋琢磨応援プロジェクト」を実施しているJANICの伊藤です。 貧困削減などのSDGs達成を目指し、国内外の社会課題に取り組む組織や職員、関係者の連携のサポートを行っています。

主な活動は、国際協力に取り組む人たちが組織を超えて学習・情報共有・提言をすることができる「ワーキンググループ」の活性化と、年1回開催の会議「HAPIC(ハピック)」(『課題解決の先へ。-HAPPINESS IDEA CONFERENCE』)の強化です。

 

■ワーキンググループ活動 一団体では取り組むことが難しい共通テーマについて、グループの力で問題解決・課題達成を図る取り組みがワーキンググループです。9グループが活動し、昨年度は81団体、235人が参加しました。グループが実施したイベントや研修は29回、参加組織数は延べ958、参加者数は延べ1514人、報告書・提言書発行数は7でした。そのうち2つの活動を紹介します。

➀協力NGOのための「ジェンダー主流化ガイドライン」発行 「ジェンダー平等推進」グループには、NGOだけでなく専門家や企業からも運営メンバーが集まり、31人が月1回の全体定例会と分科会を開催しています。海外でジェンダー平等に取り組むNGOが一緒になって日本国内のジェンダー平等を促進するため、今年4月にNGOの組織運営や事業実施における「ジェンダー主流化ガイドライン」を発行しました。

ワーキンググループが行ったNGO向けのアンケートでは、31.7%が事業・組織運営においてジェンダー平等と多様性を推進する取り組みができていないと回答しました。日本の国際協力分野のNGO/NPOが参考にしてジェンダー主流化を実践できるように、ガイドラインでは推奨基準が示され、「農業用水改善事業」「難民支援事業」「宗教リーダーとの協働」「男の子・男性のエンゲージメント」などの事例が紹介されています。

「すべての人々が性別にかかわりなく、社会において平等な権利を持ち、尊重され、自己決定ができる」ように、国際協力のすべての現場でジェンダー平等の実現を目指して、NGO同士でも協力していく必要があります。


 

➁変化が起きているのか、現場の人びとは何を考え、喜び、苦しんでいるのか、NGOならではの情報をどのように広報していくかが力の見せどころです。しかし、NGOは小規模な組織が多く、広報担当者が孤軍奮闘をしています。 ワーキンググループとして組織を超えた横のつながりができることで、学び合い、切磋琢磨することができます。「当団体ではSNSのフォロワーも伸びず、特に反応がよいわけでもなく、模索し続けています。皆さんがどのように広報ツールとして活用しているのか教えていただけるとありがたい」「成功事例と失敗事例や、おすすめの広報関連ツールなどの情報交換がしたい」「寄付者とのコミュニケーションツールとしての広報やプレリリースで気を付けていることを共有しあいたい」という声が寄せられており、グループによって広報PR活動を共に盛り上げていくことが期待されます。(※ガイドラインはこちら

 

■HAPICの開催に向けて 日本国内、海外においてグローバルな社会課題に取り組む人、関心を持つ人たちが一堂に会して、最新のテーマを学び、今後について議論する場を作り、その規模や質を高める取り組みも一食平和基金と合同で行っています。 戦争や自然災害、感染症など新たな問題が出現し、格差や分断が進む世界で、人びとが前を向き、持続可能な社会をつくるために、「ひとり一人が持つ“社会課題を解決する力”のエンパワメント」をテーマにHAPICを開催します。 今年のHAPICでは、紛争下でのNGOの活動、平和に向けた宗教の力、AIと平和など、「平和」について考えるセッションを複数企画しています。また、気候変動・環境、テクノロジー、パートナーシップも重要なテーマです。NGO、政府や企業の関係者、学生たちがセッションや交流企画を通して、人やや情報と出会えるHAPICを目指します。