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ミンダナオ子ども図書館より、ゆめポッケの取り組みについて
Nov 24, 2023
ミンダナオ子ども図書館(MCL)財団の管理責任者をしているノエミ・F. パセテと申します。MCLはフィリピンのキダパワン市マノンゴル地区に事務所を置く、非宗教、非政治、非営利の組織で、絵本の読み聞かせ、奨学金の支給、育児放棄された子どもたちの支援、医療支援、農業/植林、保育所建設、自然災害や人災の際の活動(救援活動、立正佼成会からのゆめポッケの配付)などを行っています。
私たちは、ミンダナオ島の紛争に巻き込まれやすい地域や武装集団に囲まれている地域、子どもたちが置き去りにされるような地域で子ども達の現状を目の当たりにしました。貧困のため、子どもたちは学校に通うことが難しく、学校もコミュニティから離れています。彼らの収入は、食事や個人的な必要を満たすのにさえ十分ではありません。学校で必要なものを揃えるのは容易ではなく、ましてや、他の子どもたちが楽しむおもちゃを子どもたちに与えることはできません。
松居友(専務理事)の講演に同席した中野陽子さんと出会ったのは思いがけないことでした。中野さんは立正佼成会(RKK)の一食を捧げる運動について話をしてくれました。MCLとRKKは、武力紛争や自然災害など、どのような状況においても、恵まれない子どもたちに幸せを与え、そのトラウマを癒すことを提唱しており、RKKはMCLを通じてフィリピンにゆめポッケを送ってくれました。2010年には、RKKの親子隊がMCLを訪れ、ゆめポッケを子ども達に直接手渡すと同時に、彼らの実情を目の当たりにしました。
MCLは困窮した子どもたちを優先しており、子ども達のところへ行くのに2~3時間、時にはそれ以上かかることもあります。遠く離れた限界集落に行くのは大変で、時にはアクセスできないこともあります。しかし、現場に到着し、子どもたちがそれまで手にしたことのないものをもらえることを期待して私たちを待っている興奮を目の当たりにすると、道中の疲れや不安は消え去ります。中には、遠い地域から、親と一緒に配付場所に歩いて来る子もいました。ポッケを受け取った子ども達は、入っていた品物、特におもちゃを見て笑顔を浮かべ、他の子どもたちと一緒に遊んでいました。どれも、子ども達が初めて手にするもので、彼らの興奮と喜びが胸に伝わってきました。
また、子ども達は、ゆめポッケがどのように準備されたかを聞き、自分たちと同じ子どもがプレゼントしてくれたことを知ると驚き、とても感謝していました。子ども達の親も、我が子がとても喜んでいるのを見て、感謝していました。このような素晴らしいプログラムの支援先にフィリピンを選び、MCLをパートナーとしてくださった立正佼成会にとても感謝しています。
私はライザ・ジーン・サリビオ、ソーシャルワーカーです。皆さんが贈ってくださったポッケを受け取った時の喜びは、子ども達にとって、この上ない大きな助けとなっています。子ども達が暮らす人里離れた場所はアクセスが難しく、多くの困難が待ち受けているため、行くことは、自分の意思を実行に移すには大きな勇気が必要です。しかし、子どもたちがとても喜んでいるのを見て、私は心を溶かされ、子どもたちが最も喜ぶものを贈ることで、子どもたちを支援し続けたいと思いました。このようなたくさんのプレゼントが入ったポッケを日本の方からいただくことを想像すると、縁もゆかりもないのに、私たちをとても大切にしてくださっていることが伝わってきて、感激しました。また、子ども達の親も「子ども達が何かを欲しがっても、おもちゃではなく食べ物を選ぶだろうから、こうして子ども達が欲しいものを考えてくれる団体は珍しい」と言って感謝していました。MCLで働く者として、こうした経験させていただけたことに感謝しています。そして、私たちフィリピン人をサポートしてくださったこと、MCLをパートナーとしてこのような素晴らしいプログラムを実施してくださったことに感謝したいと思います。