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日本の国際協力NGOの現状と取り組み

Aug 10, 2021

一食平和基金と合同で「NGO切磋琢磨応援プロジェクト」を実施しております、国際協力NGOセンター(JANIC)より、プロジェクトのご報告をいただきました。団体スタッフからの直接のご寄稿、お楽しみいただけたらと思います!

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JANICの山田と申します。私達JANICは、1987年に設立されてから日本のNGOの支援を30年以上行っております。

その中でも一食平和基金の皆様とは長きに渡り、日本のNGO支援を合同で進めさせて頂いております。

急ではありますが、日本のNGOはどのくらいあるかご存知でしょうか?

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・・・・・・現在では約500団体と言われており、10年程前からあまり数の変化はありません。

一方で、国内の様々な活動しているNPOは、約3万とも4万ともあると言われています。

NGOは、NPOの活動の中でも国際協力や開発課題解決に特化した活動を行っているいますが、

NPOと比較すると数が圧倒的に少ないですね。

また、一口にNGOと言っても規模や活動内容はほんとに様々です。

ボランティアさんで運営し、特定地域に根ざして長年活動している団体から、数百人規模のスタッフで運営し、複数国で支援している団体もあります。

日本のNGOの歴史が始まったのは、約40年前頃と言われており、アジア情勢が不安定だった時期アフリカの飢餓問題が世界で取り上げられた時期などに多くのNGOが誕生しています。

現在、NGOの状況はというと、全体的な数や規模はそこまで大きな変化はありませんが、多様化する現地課題や、環境の変化、社会構造の複雑化によって支援の仕方も非常に多様化、複雑化しています。また、国際協力の浸透や、SDGsの普及によるアクターもより一層増しており、各NGOが掲げるミッションやビジョンの達成、SDGs目標の達成は、行政や、自治体、企業、市民の方々との連携や協働が必要不可欠になっています。

NGOの活動は、貧困解決や飢餓の撲滅、医療支援、子ども支援、災害支援等様々ありますが、特定の課題解決だけではありません。香港やミャンマー等で脅かされる民主主義への働きかけや新型コロナワクチンを巡っての平等な分配を求める声明、各国が集うG20G7等の場に置いての提言活動など、社会構造を変えていく、改善していくことも大きな役割のひとつです。

そんなNGOの現状や役割を踏まえ、一食平和基金様とJANICでは、NGOの組織力の向上、NGOや他アクターが切磋琢磨しながら、連携・協働する“場“として「ワーキング・グループ」の体制整備を行ってきました。

<ワーキング・グループ活動バーナー>

 

AIやIT技術をどうやって国際協力に活かすかを検討する「IT×国際協力ワーキング・グループ」や、2030年のSDGs達成に向けて、どう行動していくかを普及・啓発する「NGO2030ワーキング・グループ」、国際協力分野における性的搾取、虐待、あらゆるハラスメントを防止するために活動する「PSEAHProtection from Sexual Exploitation, Abuse and Harassment)ワーキング・グループ」など合計で13個のグループ活動を推進してきました。

PSEAHに関するテーマでは、国際社会に比べるとまだまだ日本の取組みやプレゼンスは高くありません。そういった中で、国際協力機構(JICA)や外務省も巻き込みながら、協働し取り組みを進めています。

本事業の取り組みは、2018年から始まって2020年度で一区切りしました。現在は第二フェーズとしてワーキング・グループの発展、普及を進めていく予定です。

PSEAHセミナーで使用した写真>

 

2018年ワーキング・グループセッション風景>

 

昨年から続いている新型コロナにおける影響は、多くのNGOにも影響がでています。

現地支援している団体では、駐在員が現地入りできない問題から、現地のパートナー団体やスタッフは、外出禁止令から予定していた活動ができなくなり、延期や他の支援活動に変更せざるを得なくなってます。また、NGOの運営や経営に関しても、寄付金の減少、ボランティア活動の減少、助成金が少くなったりと、活動を行う上で必要十分な人員や資金がさらに不足してしまっています。

全世界的な感染症の影響は大きく、優先順位を決めながら、どこに何をどうやって対応していくのかを決めるのかの判断や行動は非常に難しく、正解もないかと思います。

その中で、立正佼成会の皆さま及び一食平和基金の皆様には、NGOの意義や影響に関してご理解とご支援を頂き、誠にありがとうございます。

JANICとしても引き続き、NGO活動の発展から、よりよい社会の実現に向かって引き続き活動していきますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。