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大震災の被災地に、子どもたちの元気な声を取り戻したい!!

Mar 31, 2022

一食平和基金では、皆様からのご協力のお陰様で、福島復興・被災者支援を継続しています。今回のブログでは、活動の中心を担われている、うつくしまNPOネットワークよりいただいたご報告をお届けします。

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◆こんにちは、UNNです!!

福島県全域で、NPO・市民活動団体・ボランティアグループの応援をしている「NPO法人うつくしまNPOネットワーク(UNN)」です。福島県内で活動しているのに「ふくしま(F)」ではなく「うつくしま(U)」です。

当会を設立した2003年ころ、福島県のキャッチフレーズをつくろうということになり、「美しい福島」という意味で「うつくしま」と表現するようになりました。
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磐梯山に阿武隈川、黒潮と親潮がぶつかる潮目の海、北限と南限が交わる豊かな植生、そして桃や梨など季節ごとの豊かな果物など、本当に「うつくしま」です。県内各地に、日本酒の蔵元がたくさんにあります。

 

◆3.11を経験して

2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故(以下、3.11という。)から11年が過ぎました。まだ、3万人近い人たちが県外に避難しています。この間も台風19号、福島県沖地震と災害が続き、心が休まりません。

大きな災害で犠牲になるのは、いつも子どもや子育てをしている家庭、特に女性です。3.11の時もそうでした。事故を起こした原子力発電所から少しでも安全な場所に、母子で避難しました。

 

◆子ども・子育て団体の声を聴く

UNNは、普段からたくさんの団体のみなさんと交流があります。子ども・子育て支援活動を実践している団体のみなさんからお話をお聴きする機会がありました。

コロナで団体運営が難しい、活動資金が不足している、子育てに関する情報がまとまっていない、行政や他の団体との連携が弱いなど、たくさんの切実な声を聞きしました。その中には、活動に疲れたという胸が裂けるような声もありました。

皆さんの声に押されるように、UNNは2021年度、被災地・ふくしまで、子ども・子育て支援活動をしている団体を応援する事業を始めました。

 

◆一食平和基金の活用

3.11後、12市町村に避難指示などが出ました。町村によっては、全住民が避難しました。その後、避難解除は少しずつ進みましたが、双葉町は11年が経った今もまだ、避難が解除されていません。

2017年春から解除が始まった富岡町でも、復旧・復興・再生が少しずつ進み始めました。その富岡町に、2019年2月に設立されたのが「いわき・双葉の子育て応援コミュニティcotohana」(代表・鈴木みなみさん)です。「ここで子育てしてよかった」という地域づくりをビジョンにしています。避難先から戻った人、移住してきた人、仕事で転勤してきた人、みんなに共通する子育てについてみんなで学び支えあうと活動しています。

子育て情報誌『コトハナ』の編集・発行を、一食平和基金の一食福島復興・被災者支援事業で応援させていただいています。
双葉郡で子育てするパパ・ママのためのお役立ち情報誌『コトハナ』2021年秋号

双葉郡で子育てするパパ・ママのためのお役立ち情報誌『コトハナ』2021年秋号

◆皆さんの声に寄り添うために

子ども・子育て支援活動をしている団体のみなさんの名簿作りを進めました。約80団体になりました。少しずつ増えています。まもなく、100団体くらいになりそうです。お話を引き続きお聞きしますと、「団体の運営について教えてほしい」「クラウドファンディングに調整したみたい」という声が大きいことがわかりました。

「私たちは、普通のママなんです。会議を準備するとか、書類を作成するなんて、今まで経験していないんですよ!!」(避難生活を経験したお母さんたちの団体)「最近、クラウドファンディングということをよく聞きますが、コンピューターに詳しくないと挑戦できないんですよね!!」(子どもの声を直接お聞きする活動をしている団体)

このような時、中間支援組織であるUNNの出番なのです。福島県が公募した「令和3年度福島県地域で支える子育て推進事業」に応募し採択されました。事業名は、ずばり、「地域で頑張る子ども・子育て支援団体を応援する事業」です。

この事業で、

(1)子ども・子育て団体の声を聴き取る事業(2回目)
(2)団体運営に関するZOOMセミナー
(3)クラウドファンディングに関するZOOMセミナー

等を、2022年3月に行いました。

 

◆今、もっとも必要な これからの子ども・子育て支援って何だろう!!

大震災の被災地に、子どもたちの元気な声を取り戻したい!!という思いで、たくさんの団体と力を合わせて活動をしています。そんな時、スタッフの一人が、「今、もっとも必要な これからの子ども・子育て支援って何だろう!!」とつぶやきました。たくさんの団体に共通する問なのではないかと、すぐに気づきました。

年度末の3月26日(土)、『今、もっとも必要な これからの子ども・子育て支援』という著書(風鳴舎)がある関東学院大学教授の土谷みち子先生にお願いして、講演会を開催しました。時節柄、ビデオ会議サービス「ZOOM」での開催でした。(3月16日深夜の福島県沖地震の影響で、参加できない団体も多かったのですが、37団体、45名の参加でした。

「活動に疲れ、燃え尽きそうだったけれど、勇気と希望をいただきました」(参加者)の声に、企画開催してよかったなと胸を撫でおろしました。

勇気と希望をいただいた土谷みち子先生のZOOM講演会の様子

土谷みち子先生のZOOM講演会の様子

◆UNNの役割

被災地・ふくしまの課題を一つずつ解決し、子どもたちの元気な声を取り戻すことが、私たちの役割です。子ども・子育て団体、福島県や市町村、そして一食平和基金のみなさんと力を合わせ、取り組んでまいります。