植林事業
ティグレ救援教会エチオピア・ティグレ州で植林事業を展開しています。植林によって荒野だった土地に緑を蘇らせ、保水力の高まった土地で農業・酪農をすることで、住民の生活改善に貢献しています。この事業では、主に苗床での苗木生産、苗木の植林(場所は地域の農林地、住民の家の裏庭など)、植林地の拡大や運営、農民や地域代表者を対象とした持続可能な森林管理のワークショップを行っています。これらの活動を通して、ティグレ州の森林復活のみならず、貧困層の中でも最も生活が厳しい住民31,200人の生活を支えること、貧困を根本的に解決することを目指しています。これまでに3,000万本以上が植林されました。
背景
100年ほど前まで、エチオピアの国土の40%は森林で覆われていたといいます。しかし、人口増加に伴う建築や燃料確保のための樹木の伐採、気候変動による雨量減少、度重なる干ばつなどにより、土地は荒廃していきました。また、1975年に誕生した軍事独裁政権の圧政に苦しむ人々の抗議活動が内戦に発展し、その後も隣国エリトリアとの紛争が勃発。このような様々な要因の結果、森林面積は3%にまで減少しました。
MORE…
浸食され荒廃した土地では天然の湧き水は乾いてしまい、女性や女児が長時間歩いて生活用水を汲みに行かなくてはなりません。土地の荒廃と保水力の低下によって農作物が不作になるのみならず、餌が不足し、家畜が痩せて商品にならない、乳製品の生産が不可能になるなどの影響が出ています。また、燃料のための木材が入手困難で高価な状態が続き、農業や酪農で生計を立てている住民の生活を圧迫し、貧困を引き起こす要因となっています。
こうした森林の減少、住民の貧困といった問題を根本から解決するために、一食平和基金とRESTは1993年からエチオピア・ティグレ州にて植林事業を行っています。
受益者の声
アウタシュさん(苗床で働く住民 22歳 女性)
2人の幼い子を育てるため、5年前から苗床で作業し、報酬を得ています。種を苗木に育てるのは、毎日の水やりや肥料の管理など大変なことも多いけれど、この村に緑が戻ってきたことに生きがいを感じます。家計のためだけでなく、この地域の発展のためにも、これからもこの仕事を続けたいと思います。
ガラディアン・ラディ―さん(REST植林事業担当者 55歳 男性)
時間はかかりますが、不毛な大地が緑豊かに変わってきています。これも、立正佼成会の皆さんのご支援があるからです。このことを孫子の代まで伝えていきたいです。