教育・人材育成 Education and Human Development

国内難民支援事業

難民支援協会

日本に逃れて来た難民のよりよい保護、受け入れを目指して、難民を理解するための情報発信と難民を支える人材育成を行っています。
難民を含む多様な人々と共生する社会を認識することを目的として立ち上げたウェブマガジン『ニッポン複雑紀行』では、難民を含めた誰もがともに暮らせる社会の魅力や課題を伝えています。
また、難民の故郷のレシピを大学の学食に導入し、食べることで難民を知り支えるプロジェクト「Meal for Refugees(M4R)」や難民アシスタント養成講座、チャリティラン&ウォーク「DAN DAN RUN」を通じて難民問題について学び、関わる人の輪を広げています。

背景

2019年、日本での難民申請者数は10,375人、難民認定数は44人となりました。難民問題に関する報道は、難民申請者の大半は制度の「濫用・誤用」、つまり就労目的であるとする報道を除き、年々減少傾向にあり、関心は弱まっています。政府が外国人労働者の受け入れ拡大に舵を切り、外国人・移民に関する報道は格段に増加しましたが、日本国内の難民問題につながる報道はほぼ見受けられません。

2019年末、紛争や迫害によって移動を強いられた人は全世界で7950万人に達しました。また、同年12月には国連総会にて、難民に関する「グローバル・コンパクト(包括協約)」が採択され、難民送出国の周辺国に負担が偏る現状から、国際社会に応分の責任の分担(共有)が求められました。また、国家だけではなく社会全体での受け入れの取り組み(自治体、NGO/NPO、教育機関、宗教組織等)を効果的に実施していく方針が合意されました。

この世界の潮流の中で、日本の難民受入れの少なさ、社会統合政策の欠如は類を見ないものです。よりよい難民受入れ政策に向けて、日本でも改善がなされるよう、社会の側面から支援していく役割があると考えられます。

受益者の声

M4R写真

女性・20歳(大学生・M4R事務局)

大学1年生の頃、立命館大学の難民支援研究団体の活動紹介を聞き、日本にも難民がいることを初めて知りました。それは私にとって衝撃的で、今まで知らなかったことにとてもショックを受け、難民問題についてもっと知らなければならないという思いから入会しました。M4Rの活動は「難しい、堅苦しい」と捉えられがちな難民問題を知るきっかけとして、誰もが毎日する好きなこと「食」を用いて認知啓発するという発想がとても画期的だと思いました。このように、難民問題を知るきっかけ作りを今後も模索していきたいと思います。

講義の様子

男性・40代(会社員・難民アシスタント養成講座参加者)

現場で支援している人や第一線の研究者から話を聞くことができ、勉強になりました。また、迫害などで日本にたどり着いた方が支援や保護の情報にアクセスすることが難しいことや、積極的に手を差し伸べようとしない国の姿勢や社会の現状について知ることができました。