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東南アジアにおける農村再生プロジェクト
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンターJVCラオスは、活動対象地域の住民や地域を担当する行政官に対して、自然資源の管理・利用に関する法律研修を実施しています。住民の資源に対する権利について知ってもらい、不当な土地収用などから彼らの暮らしが守られるように活動しています。
またラオスでは、村域を示す地図や人口データをはじめとした村の状況を示すデータがほとんど何も整っておらず、さまざまな権利を主張することなどが難しい状況にあります。そこでこれらのデータを整備することで、活動対象地域の住民が自分たちの暮らす地域について客観的に把握し、外部者に対して村の状況を的確に説明でき、さまざまな開発事業などに際して主体的に関われるようになることを目指しています。
その他にも、農業技術研修の実施や井戸の整備等の活動を行っています。
背景
近年、GDP成長率7%前後を維持するラオスの経済成長は、主として電力と銅などの鉱物資源、農産物の輸出に支えられています。これらはダム建設や鉱山開発、プランテーションの設置などによるもので、しばしば国民の6割以上が居住する農村部での、公正な手続きを踏まない土地の収用や、水質汚染、ゴミの投棄などの環境破壊を引き起こしています。農村住民は稲作を営みながら、食料や生活資材の多くを林産物に頼って生活を成り立たせており、その影響は深刻です。なかでも小農や土地を持たないなどの貧しい階層ほど、自然資源への依存率が高く、これら開発の負の影響を強く受けています。
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一方、一党支配体制のもとで表現の自由は制限され、NGOや住民組織によるこうした問題への取り組みなども制限されています。また、土地に関する法の整備も十分に確立していないため、問題の有効な解決策を欠いています。
経済成長のために進められる各種の開発事業による、人々の暮らしと環境への影響に関する実態の把握と共有、住民が安心して暮らせる制度と持続的な開発手法の確立が急がれています。
受益者の声
1903中間報告_スィーサワン・インタコン氏
スィーサワン・インタコン(プロジェクトオフィサー、男性)
村のことをよく知らなければ、村が抱えている問題も、村が本当に必要としていることも分かりません。また、村の将来の計画を立てるためには、村のこれまでの変化を把握することも重要です。
様々な研修は、私にとって貴重で有意義な機会でした。私はこれまで地図作成に必要なGPSの技術がありませんでしたが、今ではそれを使えるようになりました。地図や衛星写真によって村の境界や森、田畑の位置など、全体の情報を把握することで、具体的な活動がイメージしやすくなりました。村での話し合いの際にあまり関心のない村人がいても、一度衛星写真をみせると村人の関心が高まり、話し合いが進めやすくなるというメリットもあります。
私たちの活動村が他の村のモデルになることを目指して、自分自身の知識や技術を高めながら、村人とともに新たなプロジェクトに取り組んでいきたいと思います。
テーワラート・サイニャシット村長(ナライドン村)
テーワラート・サイニャシット氏(アサパントン郡ナライドン村農家、村長 45歳)
JVCに村への支援をしてもらえて、嬉しく思っています。まだわれわれの村は貧しく、キノコ栽培研修などの活動によって、いくつかの世帯で収入源を増やすことができました。これらを村内で売ることで、収入を得た世帯もあります。
浅井戸については掘削や設備増強を支援していただいていますが、この研修過程を経て、村人たちだけでもう1基掘ろうという話が持ち上がっています。