貧困(飢餓)の解消 Poverty Alleviation

初等教育の普及(学校給食プログラム)

国際連合世界食糧計画WFP協会(国連WFP協会)

ミャンマーでは人口の37.5%が貧困ライン以下で生活をしています。子どもたちの栄養状態や健康を改善し、子どもが家族の理解を得て学校に通い続けられるよう、未就学児と小学校の児童に栄養強化ビスケット(毎日75g)や学校給食を提供しています。ビスケットや給食による短期的な飢餓及び微量栄養素不足の解消は、貧困度合いが高く食糧不安にある遠隔地域の子どもたち、特に女子児童の就学率・出席率の安定につながります。また、子どもたちだけでなく、両親や給食を提供する側の大人たちのコミュニケーションの活性化や、食や衛生知識についての啓発にもなります。

背景

ミャンマーでは、5歳未満の子どもの3人に1人が慢性的栄養失調のために発育不全(年齢に不相応な低身長)であり、7%の子どもが消耗症(身長に不相応な低体重)だといわれます。

教育面では、都市部と地方における就学率の地域差がみられます。また、小学校の入学率は83%ですが、そのうち中等学校に進学するのは半数以下。特に女子児童の退学率は高くなっています。

こうした状況の中、WFPは栄養価の高い学校給食の提供による児童の栄養状態改善と就学率向上を目指しています。慢性的栄養不足による発達障害の防止、出席率の向上(特に女子児童)と安定は自立した成人の育成につながるため、このプログラムは国力の強化に繋がります。

さらに、学校給食プログラム運営における関連政府機関の能力強化(キャパシティ・ビルディング)にも力を注いでいます。現在、教育省には支援対象学校の選定のサポート等を行っていますが、行政として自立した運用ができるよう、徐々に役割や責任の比重を増やしていきます。

受益者の声

ミャンマーでの学校給食支援の様子(写真 ©WFP)

セイピャー村教育委員会代表

私には3人の子どもがいて、家ではお肉を食事で出すことがほぼできない状況です。出すとしたら10日に1回ぐらいしか出せません。しかし、今はお肉入りのカレーを週に3回も学校給食で食べることができます。いつも、「お肉が食べたい!」と子ども達に言われたときは、「学校に行けば食べられるよ。」と言っています。

シリア・レフティネン氏

シリア・レフティネン氏

パートナーシップ、コミュニケーション、レポート部スタッフ
立正佼成会さんのような団体と出会うのは初めての経験です。ミャンマーには多くの輝かしい未来が待っていると信じ、長年たくさんのチャレンジをしてきた国のお手伝いが少しでもできたらと思って活動しています。特に学校給食には力を入れていきたいです。未来を作るために重要な活動だと思うからです。今の子ども達が教育によって知識を得られたら、それは次世代の子ども達につながっていきます。このことが国を強くしていくことだと考えています。ご支援いただき、誠にありがとうございます。