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水衛生設備の改修を中心とした生活基盤改善事業
特定非営利活動法人 JENこのプロジェクトでは、パキスタンの中央クラム地区において、水衛生設備の改修を中心とした生活基盤の改善に取り組んでいます。
給水施設(集水・地表水タンクなど)の建設や水質検査を通して、35村の2300世帯が安全な飲み水を得ることができます。これにより、女性や子どもたちを、水を運ぶ労働から解放することができるようになります。また、排水溝や衛生施設(トイレや手洗い場)の建設、衛生キットの配布や衛生啓発を通して、汚染された水で起こる水因性疾患などを防ぎ、衛生面の維持・向上を図ることもできます。
背景
パキスタンは2億700万人の全人口の内、2100万人が清潔で安全な水へのアクセスに困難を抱えているといわれています。美しい森と湧き水に恵まれた地域でも、村や家に水を引く手段やお金が乏しく、既存の水道管があっても、摩耗して水が汚染されてしまっているため、水因性疾患を引き起こすこともあります。また湧き水であっても、保護されることなく家畜や野生動物の糞尿などにより汚染されているところがあり、下痢など様々な疾患の危険性があります。
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事業地である中央クラム管区では、貨幣収入を得ることが難しいこともあり、多くの男性は近隣の大都市に出稼ぎに行きます。都市での出稼ぎも日雇い労働から始まることが多く、その仕事も毎日あるとは限らないため、施しや親戚からの援助に頼らざるを得なくなってしまうことがあります。一方、多くの家庭において、女性と子どもは家事などの労働の中心的存在となります。家族の水を確保するため、水源まで岩がごろごろとあるような道を通ったり、冬には雪も降る中、困難で危険も伴う道を1日2回以上、20リットルの水が入る甕(かめ)を頭にのせて水を汲みに行きます。
受益者の声
衛生キットを受け取ったムハンマド・イブラヒム氏
モハメッド・イブラハム(49歳)
私たちは大家族制をとっており、家族は全員で40人ですが、トイレは1つしかありません。女性がトイレを使うのに対し、男性がトイレを使うことはまれです。戸外での排便は良くないと分かっていますが、他に方法がないのです。トイレには水が引かれていないので、バケツに水を汲んで運んでいます。
また、下痢や腎臓の疾病は、この地域ではよくあることです。私は、健康や衛生についての学習がこれらの病気を減らすと確信しています。衛生キットはとても有用で、このキットを使うことが手を洗うことや他の衛生手段の習慣化につながると信じています。適切な手洗い方法について学んだ時、私は全く知識がなかったのでとても驚きました。衛生講習会の後、私は初めて村や通り道の環境について考え、どんなに不衛生であるかに気付きました。私は家族を説得して、村の周囲の状況だけでなく台所や家にも特に気を付けるようにしていきます。