一食ブログBlog

組織を超えた仲間同士の切磋琢磨の場

Jul 12, 2024

一食平和基金との合同事業「NGO切磋琢磨応援プロジェクト」を担当したJANICの伊藤です。
貧困削減などのSDGs達成を目指し、国内外の社会課題に取り組む組織や人の連携のサポートを行っています。

「NGO切磋琢磨応援プロジェクト」では、国際協力に取り組む人たちが組織を超えて学習・情報共有・提言をすることができる「ワーキンググループ」の活性化と、国際協力の活動をする関係者が集まる会議「HAPIC(ハピック)」(『課題解決の先へ。-HAPPINESS IDEA CONFERENCE』)の強化を行いました。

 

■HAPIC2023の開催
日本国内、海外においてグローバルな社会課題に取り組む人、関心を持つ人たちが一堂に会して、最新のテーマを学び、今後について議論する場である会議を一食平和基金と合同で開催しました。
複数のNGO代表者による実行委員会形式を採用し、セッションテーマや参加者の交流を企画。イベント運営の実績のある企業の強力も得て企画・運営を行い、「学生アイデアコンテスト」を新たに実施し、その表彰をHAPICで行う新しい取り組みも行いました。

主要テーマとして、人権・民主主義・平和/紛争、環境・気候変動・防災・減災、パートナーシップのセッションを設定することに加えて、平和、テクノロジ―、ODAについては軍事化協力の傾向について取り上げました。21のセッションを実施し、気候変動と平和に関するセッションには、大学生が登壇し、世代を超えた議論が行われました。

389 人(会場166、オンライン延べ223 人)が参加し、参加者アンケートでは、HAPICに満足したと回答した人は95%を超え、HAPIC参加で実現できたこととして「最新情報や必要な知識の入手」(40.4%)、「次世代・新しい人や組織とのネットワーキング」(23.1%)、「課題解決に取り組むモチベーションの向上」(25%)との結果となりました。
「グローバル課題解決に関する最新情報・動向を把握でき、組織のニーズや自己成長に必要な知識が得られ、視野が広がっている」「新規人脈の獲得や既存人脈の深化が実現でき、自らの役割(存在と活動の意義)の問い直しや協力者とのコネクションが構築され、日々の取り組みへのモチベーションがあがっている」との感想があり、設定した成果は一定程度得られたと考えます。

課題としては、参加費、協賛金獲得が目標額に及ばす、実施に関わる人件費を含めて、事業の黒字化のための設計、営業の見直しが必要です。
また、HAPIC開催日は会場の都合で、立正佼成会の行事の日程と重なってしまい、リアルでご参加いただけなかったことが残念でした!

HAPIC2023集合写真

 

■ワーキンググループ活動
組織を超えたつながりで、共通テーマについて、グループの力で問題解決・課題達成を図る取り組みがワーキンググループです。12グループが活動し、NGOや企業、政府機関、国際機関の有志が参加しています。小規模な団体が多いNGOで孤軍奮闘しているスタッフが他団体で奮闘している人と知り合い、相談ができ、意見交換を通して刺激を受けることができる場です。
2023年度は176団体、264人が参加しました。グループが実施したイベントや研修は18回、参加組織数は延べ328、参加者数は延べ659人でした。

NGO広報担当者ワーキンググループの様子

 

<HAPICでのセッション主催>
HAPICにおいて、7つのグループが5つのセッションを実施しました。
①子どもと若者のセーフガーディング・PSEAH・ジェンダー平等推進:「対話セッション:ジェンダーについて話しあおう!私たちの生活の中の社会規範とは」
②多文化:「多文化共生を推進する官民連携のあり方とは?」
③NGO2030:「NGOのNext Step:G7/C7課題の分析とNGOの役割」
④支援の現地化:「支援の現地化~ローカライゼーションできることから」
⑤NGO組織強化:「NGOスタッフの働き方のリアル 〜 働く環境改善と採用難のなぜ?」

 

<多様な活動>
ワーキンググループは、テーマ、目的、期間、メンバー、開催頻度や形態は自由にメンバーが設定します。毎月1回昼休み時間に勉強会を行ったり、毎月夜にセミナーをYouTube配信したり、2~3か月に1回情報共有の場を持ったり、調査や研修を実施したり、活動内容や方法は多様です。飲み会や合宿をするグループもあります。

一食平和基金のご支援で、組織をこえた仲間同士で情報共有・学習を行い、活動を促進し、協力して達成・改善を図るワーキンググループ制度を成長させることができました。今後もNGOの切磋琢磨の場として運営を続けていきます。