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【JVC事業報告②】生まれたたくさんの笑顔とともに【カンボジア】

Jun 14, 2021

こんにちは!

今回は「日本国際ボランティアセンター」(JVC)さんと合同で実施していた二つのプロジェクトの終了をうけて、ご担当者さんからの事業報告・成果を二つの記事でご紹介しています!(^▽^)/

 

第2段は、カンボジアでの「東南アジアにおける農村再生プロジェクト」についてのご報告です。

 

今回の記事を書いてくださった大村さんは、先日の一食推進全国フォーラムでも当プロジェクトについてご報告くださり、多くのよろこびや感動を伝えてくださいました!

 

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一食平和基金と合同で、「東南アジアにおける農村再生プロジェクト(カンボジア)」を実施している日本国際ボランティアセンター(JVC)の大村真理子です。

このたび、2020年度を持ちましてカンボジアでのプロジェクトを終了いたしました。村の皆さん、「一食を捧げる運動」を実践されている皆さんとともにつくりあげたこの活動の成果を、報告いたします。

 

コロナ禍でも継続した研修やため池掘削

 

活動対象地域・コンポンクダイでは、2007年より農村開発のプロジェクトを実施してきました。

カンボジアには雨季(5月~10月頃)と乾期(11月~4月頃)がありますが、気候変動の影響もあり、雨季に充分な水を確保しておくことができず、活動地では乾季に深刻な水不足が起きている場所がありました。そこでプロジェクトの最終フェーズとなるこの2年間は、誰でも参加できる農業技術研修を継続しながら、乾期の水源となるため池と井戸の掘削を進め、一年中家庭菜園を行い、日々の食料を自分達でつくることができるような環境づくりのサポートを続けてきました。

6村で9ヶ所の共同ため池と3ヶ所の井戸を掘削したと同時に、新型コロナウイルスの影響を受けながらも、2年間で約170回の農業研修を実施し、288世帯、のべ669人の参加者に、土づくりや肥料(液肥、たい肥)づくり、冠水対策、乾季の節水対策、防虫対策研修などを実施することができました。この2年で、平均2種類だった各家庭の菜園の栽培品目は、平均12種類、約6倍にもなりました。

雨季に満水になった水を、乾期に農業用水として活用する

 

定員制とし、ソーシャルディスタンスを設けるなどの対策を講じながら研修を継続した

 

また、自給用の作物を安定的に収穫できるようになった住民で、外部への販売を希望する方を対象に、野菜類の販売やドライハーブなどの加工品の生産・出荷のサポートを実施しました。特にオーガニックハーブティーの原料としてドライハーブを出荷するプロジェクトが好評で、この2年で約15種類のハーブを原料として出荷できるようになり、農村での貴重な収入源ともなりました。現在これらの生産・出荷・販売は住民の皆さんの手で丁寧に続けられています。

すべて手作業でつくられるハーブティーは、日本からも購入することができる

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「出稼ぎに出ている家族に仕送りができるようになった」

 

ともに歩んできた住民の方の声を紹介します。

セン・トーンさん 後ろは掘削したため池

セン・トーンさんは4人の子どものお母さん。夫は出稼ぎに出ています。「家庭菜園は、丁寧なフォローアップがあって続けることができました。生活は大きく変わり、今では家庭用はもちろん、販売も始めて、街に出稼ぎに出ている家族に売上の一部を仕送りすることもできるようになりました」と語ります。

左:2021年7月
右:同9月

セン・トーンさんの努力は、上の写真で一目瞭然でしょうか。農業研修に熱心に参加し実践を続けた彼女の菜園は、大きく変わりました。乾期には掘削したため池の水を利用し、今では年間を通して野菜を収穫することができるようになりました。

 

「私の人生は大きく変わりました」

 

ソク・スーさん 出荷する千日紅の花とともに

 

ソク・スーさんも、研修に参加を続けた女性の1人です。特にドライハーブづくりの研修に熱心に参加し、自分で育てたハーブで収入を得ることができるようになりました。

 

「私の人生は大きく変わりました。私は文字の読み書きができないので、子どもには充分な教育を受けて欲しいと考えています。今では、子どもを補習学級に通わせたり、自分の力で子どもの教育環境を変えることができました」と、弾けんばかりの笑顔です。感謝の声を動画でお届けします。ぜひご覧ください。

https://youtu.be/G_9t-t6Tseo

「これからも続けていきます」

 

ネム・ソーンさん

ため池の近隣住民の1人のネム・ソーンさんは、周囲の人に熱心に技術をシェアし続ける姿が印象的でした。「日本の皆さんがため池や技術の支援をしてくださって、人生が変わりました。私の周りでも菜園を始める人が増えました。それを見ていると、食べ物に困らないこの村の将来が思い浮かびます。「私たちの今があるのは、日本の人びとが支援をしてくれたから」ということを村の皆が知っているように、まずは私が、これからも実践を続けていきます」と語ってくれました。

 

プロジェクトは終わっても・・・

 

一食平和基金と合同で続けてきたカンボジアでのプロジェクトは、2020年度末で一区切りとなりました。これまでの成果は、「一食を捧げる運動」がなければ、生まれなかったものだと感じます。皆様から託していただく温かいお気持ちと資金は、カンボジアでたくさんの笑顔を生み、また日本とカンボジアを繋ぐ、貴重な架け橋ともなりました。

 

プロジェクトは終了しますが、ともに過ごした時間は消えることなくそれぞれの心の中に生き続け、また、農業技術やため池・井戸はカンボジアの村の皆さんとともに、土地に残り続けます。長きに渡り応援していただいたこと、心から御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

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東南アジアにおける農村再生プロジェクト