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SDGs達成に向けた「一食」の取り組み

May 14, 2022

ここ数年で、SDGsへの関心がとても高まったように感じています。

企業や学校、自治体、団体、そして多くの個人が、さまざまな取り組みをされています。SDGsの前身であるMDGs(*1)を、日本社会でどうしたらより多くの人に知ってもらえるのかと考えていた頃からすると、信じられないほどの大きな変化を感じます。

 

SDGsとは、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことで、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」を理念に、2030年までに持続可能でよりよい世界の実現を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから成り、2015年の国連サミットで全加盟国によって採択されました。

 

一食を捧げる運動は、「世界のみんなと共に幸せになりたい」という願いをもって、世界で貧困や紛争で苦しい状況にある人々に思いを寄せ、自分も食事を抜いて空腹になることでその苦しさ、つらさに少しでも近づき、食事を抜いたお金を献金して支援するという運動です。

その願いは、途上国の抱える貧困問題等の解決を目指したMDGs、そして途上国だけでなく先進国を含めた世界中の人によって2030年までに貧困や世界の課題を解決していこうというSDGsの目標にぴったりと重なるものです。

そのため一食平和基金では、SDGsの目標達成に向けた多くの人々の関心の高まりを、私たちの目指す世界の実現への大きな追い風だと、独りよがりかもしれませんがそう受け止めてありがたく思っています。

 

一食平和基金では、現在、「貧困(飢餓)の解消」、「教育・人材育成」「ネットワークの強化」という三つの領域に重点をおく中期方針を立てて、支援事業を展開しています。

これは、SDGsのゴールで言うところの

 

1.貧困をなくそう

4.質の高い教育をみんなに

17.パートナーシップで目標を達成しよう   と重なります。

 

具体的な事業を見てみると、SDGsの「ゴール1.貧困をなくそう」に該当する事業には、次のようなものがあります。(2021年支援事業)(その他のゴールについては*2

・ミャンマー 学校給食プログラム

・フィリピン・バターン 奨学金事業

・スリランカ 貧しい家庭の子どもたちへの初等教育支援

・バングラデシュ 貧困地域での医療サービス支援プロジェクト

・バングラデシュ 貧困地域での学用品支援プロジェクト

・モンゴル 無保険者への無料健康診断・初期治療提供

・アフリカへ毛布をおくる運動

・南アフリカ 孤児・脆弱な子どもたちへのケアサポート

・マラウイ HIV/エイズ事業、出生登録事業

・マダガスカル 飢餓に苦しむ住民への医療支援事業

・コンゴ民主共和国 コロナ危機下における紛争被害女性支援事業 

・アフガニスタン 人道危機食料支援

・アフガニスタン 戦闘で親を亡くした子どもを対象とした緊急支援

 

一食運動実践者のみなさんのご協力によって、「ゴール1.貧困をなくそう」だけでも、とてもたくさんの事業を支援をすることができました。改めて、そのご協力の大きさを感じ、感謝の気持ちを強くしました。

その一方、「一食の支援は、数が多すぎて、何をしているのかよくわからない」という声をいただくことがあります。ここに書いてみて、「本当にそのとおりだな」と実感しました(苦笑)。

しかし、「では支援事業の数を減らします」では私たちの目指す世界は実現しないので、これからもみなさんにご理解いただけるように工夫しながら、情報発信に努めたいと思います。

 

「誰一人取り残さない」というSDGsの理念と、「世界のみんなと共に幸せになる」という一食の願いは、表現は違っても同じ世界の実現を目指しています。

これからも一食平和基金は、SDGsの達成に通じる支援に尽力します。そして、さらに多くのみなさんに一食を捧げる運動に参加をしていただき、一緒によりよい世界を築く道を歩んでいきたいと願ってやみません。

 

 

1MDGsとは、Mellennium Development Goals(ミレニアム開発目標)の略で、「極度の貧困と飢餓の撲滅」など、8つの目標を掲げた開発分野における国際社会の目標。2015年を達成期限として、貧困状況の改善など一定の成果を挙げた。

2SDGsの各ゴールに関連する一食支援事業については、次のページでご覧いただけます。

SDGsと一食

ウガンダの人々、「共に幸せになりたい」

ウガンダにて。「貧困をなくし、みんなで幸せになりたい」