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ともに味わう学ぶ喜び

Feb 12, 2022

一食平和基金の支援を受け、「バングラデシュ貧困地域への学用品支援プロジェクト」を実施しているNPO法人立正佼成会バングラデシュのオヌズ・ボルアです。

この事業は、20211月から開始し、NGO立正佼成会バングラデシュとして初めての事業です。現在2年目に入っております。
バングラデシュにおける教育の問題は深刻です。経済成長率だけを見ると大幅な向上が見られるものの、GNPはまだ低く、貧富の差は増し児童労働に頼る貧困層はいまだ多数を占めています。労働を余儀なくされている児童・生徒は勉強したくてもできません。たとえ勉強する時間があっても学用品を購入できずにいる児童も多いのです。15歳以上の識字率72.9%(2020年バングラデシュ統計局)はそのことを明確に表しています。勉強したくてもできない児童・生徒に光を当てることは彼らに生きる希望を与えバングラデシュ国の将来に役立つと私たちは考えました。
都市部でのスラム問題もありますが貧困に悩む人々は農村部に多く見られます。私たちの財力にも限りがありますので、まずは近郊の貧しい地域の学校を三校選び、そこに通う児童生徒に学用品を贈ることを考えました。三校というのは支援する総生徒数を500人として考えると三校ぐらいになるからです。

また、次に何を支援するかの問題がありました。教師の方々、親御さん、そして直接の受益者である子どもたちの気持ちを考えました。その結果、ノートや筆記用具とともにそれらを入れるバッグが一番必要なことが分かりました。そこでバッグとそのなかに学用品を入れて贈呈することに致しました。

ここで10月31日に行った贈呈の模様をご紹介いたします。


学用品を受け取るジョイアシンハさん

ジョイアシンハさん(9歳)はこのように話してくれました。
初めてこのような学用品を頂きました。ありがとうございます。
私の家庭は大変貧しくて学校で使う文房具や鞄を買う金がありませんでした。バッグや文房具を頂いてとても嬉しいです。
一所懸命に勉強をします。約束します。日本の皆さんから頂いたプレゼントを大事に使わせて頂きます。日本の皆さまありがとうございます。

 


学用品を受け取るイマモホセンさん

イマモホセンさん(11歳)はこのように話してくれました。
私はこのバッグを頂いて大変嬉しいです。皆さんから頂いた学品を大事に使います。
学校の勉強も一所懸命に頑張ります。一食基金をしてくれた日本の皆さまに感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 


2021年1031日ジョイプルハトの記念写真

1つエピソードがあります。12月11日の贈呈式の時でした。子ども達はもちろんのこと、学校関係者、父兄の方々が喜んでくれました。私たちの地道な活動が日本でいうと知事(こちらではDistrict Commissionerと言います)にあたる方の耳に入りました。そして知事が出席されることになりました。知事の出席は地元のテレビ局や新聞社、そして地元警察の責任者の方まで動かし、予想をはるかに超えた贈呈式になりました。このことを通して私たちは二つのことを学びました。

一つは「学用品支援」を多くの人が待ち望んでいたということ。そして二つ目が子ども達に本当の意味での希望を与えることができたということです。学ぶことに喜びを得た子供たちが成長し、明日のバングラデシュを背負っていくという強い手ごたえを感じました。喜ぶ子供たちの笑顔を見た時、支援に参加させて頂いた私たちも喜びを頂きました。

 


贈呈後、子供たちと喜びを分かちあう様子

貧困層の人々の人数を数えると私たちの活動は砂漠に落ちた一滴の水かもしれません。しかし、この活動を通して出会った子供たち、親御さん、学校関係者、地域有識者の輪は確実に広がっていくと信じます。お陰様で一食平和基金運営委員会のみなさまに2022年も活動を継続するお許しを頂きました。私たちはこの活動をとおして多くの方と出会い、この輪を広げていくよう努力することをお誓い致します。一食平和基金に募金して下さったみなさまに心よりお礼を申し上げます。ありがとうございます。